「日吉ー、帰り ラーメン食ってこ?」
部活終了後のテニスコートに響く、先輩の声。
「なんや、今日も日吉のこと 待っとったんか?」
帰宅部の先輩は、いつも こうして部活が終わる頃にやってくる。
「先輩…そんな 毎日毎日、待ってなくていいんですよ?」
帰り道、暗くなり始めた道を歩きながら言えば、
「日吉…お前、俺のこと好きか?」
何でもないように そう訊かれた。
「何言ってんですか いきなり。」
「好きか?」
「………好き…ですよ。」
そう答えたら、先輩は にっと笑って、
「なら よし!」
と言って、俺の手を取った。
どうやら俺は、この人には 敵わないらしかった。
☆ Thank you ☆