15.おかあさん…?





。ちゃんと 髪を拭かないと、風邪ひくよ。」

「んー、暑いから 大丈夫だって。」


水泳の授業の後。昼休みの教室。

窓際 後方には、滝と


「だーめ。ちゃんと 拭いて、ほら。」


滝は、パンを齧るの後ろに回ると、

の首にかけてあったタオルで、その頭を わしゃわしゃと拭く。


「んー。」

「ん。大体 いいかな。」

「…萩之介って、“お母さん”って感じだよな。」


の発言に、滝は一瞬フリーズすると、

次には、の耳元に唇をよせ、


「僕は 自分の子どもを 押し倒したりは、したくないな。」


と、囁いた。


「え、今の そーゆー話!? 」

「ん?違うの?」


笑顔の 滝が怖い。


「…ごめんなさい。」


は つい、そう口にしていた。


「何で謝るの?」

「何となく…」


怖かったから、とは 言えまい。


「ね、。」

「ん?何?」

「今日、泊まりにおいでよね?」


明日は お休みだし、と言う 滝の笑顔は、

まだ ちょっと 黒さを持っていて…


「うん…」


頷くしかない、であった。








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