17.牛乳




「いやだ。」

「嫌じゃない。飲め。」


でん、と 牛乳の入ったグラスを目の前に置かれたエドは、

怒っているような顔で、しかし 涙目になってしまいながら 俺を見上げた。


「俺より でかくなりたいんだろう?」

「なりてぇけど、でも 牛乳なんて飲まなくたって…」

「カルシウム摂らずに でかくなったら 骨が スカスカになるだろうが。」

「そんなの…」

「エド。いいから 飲め。」

「…は 意地悪だ…」


誰が意地悪で こんなこと言うか!と怒鳴りつけたいのを堪えて、

エドの前に置いたグラスを手に取る。


「ったく、しょーがねぇな…」


エドを連れてリビングへ行き、ソファに座らせる。

脇のテーブルに とん、とグラスを置くと、俺は

エドに 圧し掛かるようにソファに上った。


「へ??! 」


驚くエドは無視して、牛乳を口に含むと、そのまま無理矢理 口付けた。


「んっ…んーっっ」


エドの口に牛乳を流し込んで、飲み込まずに吐き出したりしないように

エドの口から それが無くなるまで、舌で口腔を掻き混ぜてやる。


「っ…ひでぇ…。」


ようやく全部 飲み込んだのを確認して口を離すと、

エドが 恨めしげに睨み上げてくる。


「これから 毎日、キスはミルク味だな。」


いつも押し倒されている仕返しとばかりに笑えば、

エドは 苦い顔を隠さない。


「さ、取り敢えず このコップ一杯分、キスをしようか。」


俺の言葉に青くなるエドは、けれど本気で抗えはしなくて、

諦めたように 目を閉じた。










☆Thank you...☆