20.うさぎ





「なんや 、帰ってしまうん?」


侑士が シャワーを浴びて戻って来た時、俺は既に身支度を整えていた。


「泊まってってくれへんの?」


コトを終えた後の気だるい身体を立たせるのは少々辛い。


「帰るよ。身体もたないから。」


だけど、これ以上ここにいたら、明日は確実に足腰が立たなくなるだろう。


「何で?明日は お休みや。問題ないやろ?」

「あるわ ボケ。」


侑士の訛が うつった エセ関西弁を吐きながら、

部屋を出ようと侑士の脇を通り抜けた…はずが、

がしっと腰に腕を回され、抱きとめられてしまった。


「嫌や、。帰らんといて。…寂しくて、死んでしまうわ。」

「はぁ?」

「俺は うさぎさんやから、寂しいと死んでしまうんや。」

「可愛くねぇ うさぎだな おい。」


呆れて溜め息を吐きながら、侑士を引き剥がそうと その腕と格闘していると

片方の手が 俺の股間を撫で上げた。


「っ…!こら 侑士っっ!! 何して…っ」

「せやから、俺は うさぎさんなんやて。」


わけの分からないことを言いながら、侑士は

折角着た俺の服を どんどん肌蹴ていく。


「うさぎってな、一度始めたら、擦り切れて血ぃ出ても やめへんらしいで?」


わざと低く掠れさせた声が、俺の耳に注ぎ込まれる。


「な、。朝まで、つき合うて?」

「ふざけんな…っあっっんっ」


突き放そうとして、甘い声が零れてしまった。あーあ、もう。

こんな奴に惚れた俺って、もしかして ものすごい アホなんじゃないだろうか。

なんて、考えていられたのは最初のうちだけだった。

やはり、明日は 足腰立ちそうにない。








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