噴水





ぱちゃりと、白い足の甲が、透明な水を蹴り上げる。


「落ちるなよ」

「大丈夫だって」


午前6時。街外れの公園。小さな噴水。

人目がないのをいいことに、脚を浸して遊ぶ

職場も住居も違う2人の決して多くはない逢瀬の好機。


「まったく、27にもなって…」

「ロイ、じじむさい」

「君が子どもなんだ」

「子ども心を忘れたら、健やかには生きられません」


ぱしゃぱしゃと水を跳ねさせながら、

は気持ち良さそうに目を閉じる。


「口の減らない子だな」


苦笑しながら わざと子ども扱いして、ロイはの腕を引いた。


「わっ」


急に引っ張られ、ロイの胸に鼻をぶつけてしまった

涙目でロイを見上げる。


「大人げない…」

「じじむさいんじゃなかったのか?」

「あーもう、どっちでもいいよ」


言ったの耳の後ろに手を当てて上を向かせるようにすると

ロイは そのままの唇に自分のそれを寄せた。


「ん…」

「どっちの私も、好きだから?」

「自分で言うな」


そう言いながら、は顔を赤く染め、ぷいと横を向いてしまう。


「好きだろう?」


その様子に くすりと笑ってロイの腕は優しく

を その内に閉じ込める。

ロイの腕の中、さらに赤くなってしまった顔を

ロイの胸に押し付けながら


「…好きだよ」


が そう答えるのは、それから たっぷり3分後の お話。














☆Thank you...☆