湿度の高さに辟易しつつ、けれど身体を離すのは嫌で。
「暑くない?」
しっかりと腰を抱いて離れない次元の腕に触れながら問えば、
「暑ィ」
即答を反してくるくせに、決して自分からは離れようとはしない。
抱き合って、裸のまま。
乱れた褥に横たわり、湿気に逃げ切れない汗にしっとりと
濡れた肌を絡める。
情事の余韻は、ただ甘だるく、心地良い疲れを包んでいた。
「暑いのに、離れないわけ?」
静かな声は冷涼で、耳元に零れるそれは、とても甘い。
「離したら、お前はさっさと一人で身支度しちまうじゃねぇか」
「あら何? 今夜は帰してくれないつもり?」
「当たり前だ。泊まってけ」
甘いくせにつれない言葉を紡ぐ声に、少々眉を寄せながら、
次元は、さらにしっかりとの腰を抱き寄せた。
安ホテルのベッドが、ギシリと音を立てる。
「……ねぇ」
「あ?」
「あたってるんだけど」
「何が」
「でかいのが」
抱き寄せられて、腰に触れたそれは、一戦交えた後だというのに
まだまだ元気で。
「放っといたら、ちぢむ?」
「お前にくっついてるからムリだ」
「……離して」
「いやだ」
またしても即答され、は深々と息を吐いた。
「また汗かくの……?」
「いいじゃねぇか。洗ったわけでなし」
「疲れたんだけど」
「気のせいだろ」
何のかんのと言い合って、けれど結局身体で丸め込まれ。
は翌日腰が立たず、もう一晩、引き止められることになった。
Thank you...☆