黒の教団 内部。コムイの仕事机。
「室長ー!この書類…」
多分 重要だろう書類。
「ああ、に渡しておいて。」
「コムイ室長ー、この手紙は…」
きっと 重要だろう手紙。
「に渡しといて。」
「あ、コムイ兄さん、コーヒー淹れといたわよ。」
「ああ。ありがとう。」
「室長ー。ここの数字…」
何かの研究データ。
「に聞いて。」
「室長、これ…」
「ああ、に…」
「いい加減にしてくださいっ!! 」
次々と渡されてくる、本来ならコムイが見るべき紙の山に、
それまで必死に対応していたが、流石に堪えかねて叫んだ。
「これ全部、あたなの仕事でしょう!?」
「だって、仕事早いから…」
「だって じゃありません!自分でやって下さい!! 」
ぜぇはぁと息を吐きながら、は声を荒げる。
しかしまぁ、見ている周囲は 呑気なもので、
「まぁた 始まったよ。」
「室長も懲りないねぇ。」
などと笑っている。
「悪かったよ、。」
すっと の背後に回って、コムイは ゆるりとを抱き締める。
「愛してるから、許して…」
の耳元に囁いて、ぎゅっと腕に力を入れると、
は ふぅ、と溜息を吐いて 首だけでコムイを振り返った。
「しょうがないなぁ、もう…」
なんて、許してしまうを、くるりとひっくり返し、
向かい合わせる形にして、コムイは その唇をの それに落とす。
「愛してるよ、。」
「はいはい。」
少し呆れたような顔をしながら、は すっかり絆されてしまっている。
「ほら、いつまでも くっ付いてないで、片付けましょう。」
そう言っては 自分の仕事へと戻っていく。
コムイも 自分の机へと戻った。
周囲も まったく気にすることなく、あっさりと すべてが再開する。
なぜならば…
「室長ー、この書類…」
「ああ、に渡してー。」
とコムイの このやりとりは、
一日数回、毎日 繰り返されているのだから。
懲りないコムイと絆される。
何が悪いって、周囲が面白がっていることだと、思い至っているのは
この光景を遠目に眺める アレンだけだったりするのだ。
今日もまた、一日平和である。
〜End〜
あとがき
肩慣らしに、と思って書いてみたものの。
そうするとギャグにしか書けない自分が情けなくもあり(涙。
次はもっと甘いの書きます!(宣言。)
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