さあ、ころがりおちておいで。僕の手の中に。





いつもと同じ笑顔で差し出されたカップを受け取って、

いつもと同じ味のコーヒーを飲んだ。


そこまでは覚えている。その後、ぷつりと記憶がなくて、

気付けばは、何故かベッドの上に転がされていた。

一糸纏わぬ姿で。


「なんで……」


茫然と呟けば、


「起きたか」


ベッドの足元あたりから声がする。


「ティキ……!」


その声の主の姿を確認しようと身を起こして、けれど身体を

支えた腕は、力が入りきらず、かくりと崩れてしまう。


「な、に……これ」

「何ってまあ、コーヒーに一服」

「一服って何で……ってか、この格好は何!」


ベッドサイドに近付いてきた男に掴みかかろうとして、

やはり力が入らず、わめき散らすだけになってしまう。


「はだかを見るのは初めてだけど、思ってた通り、とてもきれいだ」

「は、あ?」

「どろどろにしてやりたくなるね」


つるりと、むき出しのふとももを、きわどいところまで撫で上げられ、

びく、と身を竦ませたは、それでもティキの不穏な発言を

聞き逃すことなく、素直に素っ頓狂な声を上げた。


「な、なな、なに言っ……」

「んー、ごめんな? 良いオトモダチでいてやりたかったんだけど」


じゃあいてくれよとが混ぜっ返す前に、ティキの顔が、

ふいと目の前に迫り。


「俺は最初から、このつもりだったんでね」

「っ……ん!」


一瞬後、きっぱりと言い切ったティキに、は唇を奪われていた。

ぐちゅりと音が立つほどに口腔内を舐めまわされ、の身体からは

すぐにくたりと力が抜ける。


「あ……」

「ずっと思ってた。身体中撫でまわして舐めまわして」

「や……」

「お前の身体の穴という穴に、舌突っ込んで舐めてやりたいって」


うっとりと囁かれ、そのあまりの内容に、の目には

涙が浮いてきてしまった。

その涙さえ、美味そうに舐め取って。


「さあ、。始めようか」


にっこりと笑ったティキのその目には、もう既に、はっきりとした

欲情しか、見て取ることは出来なかった。








  ※   ※   ※








「あ、あ……や、だぁっ」


尻の穴を、ぐしょぐしょになるまで舐められて、

は半泣きで喘いでいた。


宣言通り、身体中の穴を舐められた。

口から始まり、みみ、はな、へそ、そして、尻を舐められて……


「嫌じゃないだろ? もう3本入ってる」


舐められながら、どんどん指で拡げられ、そこは今

3本の指で、唾液を内襞に擦り込まれている。


「次は……ここ」


指は後孔に含ませたまま、次にティキが舌を向けたのは、

一番小さな穴。

延々の前立腺刺激によって勃ち上がってしまった、

のペニスの先端の窪みだった。


「や、あぁっ」


尖らせた舌の先で、ぐっと穴を押され、ぬめるるものが敏感な

粘膜に触れるのを感じ、それを快感として捉えた一瞬後、

は、ぐぅっと背を仰け反らせ、首を振って身悶えた。

それでもティキは容赦なく、可能な限り舌を押し込んでいく。


「ひぁあ、あーあーっ」


数ミリを飲み込ませて、ぐりぐりと舌を動かし、を喘がせていた

ティキは、思いついたように。ふと顔をあげ、にやりと笑った。


「この穴、ずいぶん好きみたいだな」


言いながら、尻に入れているのとは逆の手の指で、

くり、と、そこを押す。


「もっと、楽しませてやるよ」


そう言って、の中から指を引き抜いたティキは、息も絶え絶えの

の耳に、おとのしくしていろと囁き、部屋を出て行くと、

1分とたたないうちに戻ってきた。


「適当なものって、なかなかねーな」


その手の中には、細い、銀色の。


「細いのはこれしかなくてな」

「マド、ラー……?」

「正解」


ぼんやりと、そのものの名前を口にしたに、にこりと笑って、


「で、これは、お前のここに入るわけ」


つん、と、先ほどまで苛めていた小さな穴をつつく。


「な……っ」


冗談だろうと青褪めるに、それが冗談ではないことを

知らしめるかのようにティキは、その細いマドラーを舐めて

たっぷりと濡らし、


「やだあぁぁぁっ」


暴れようとするの腰を押さえつけ、そこをの目に

見せ付けながら、つぷりと丸い先端を、小穴に挿入した。


犯される感覚と同時に視覚にも卑猥なそれを捉えさせられ、

は、痛みと、何だかわからないような、空恐ろしいものに

襲われ悲鳴を上げて悶える。


「い、たい……っぅんーっ」


いくら唾液で濡らしたとて、さすがに潤うわけもなく、細すぎる道は

摩擦で、ひどく熱い何かを入れられているような錯覚を生む。

切れそうなほどに唇を噛み締めて、ぼろぼろと涙を零し、

しかし脆弱な場所をティキの手に捕らえられている状況では

下手に抗うこともできない。


「入った。ほら、奥まで」


ちゃんと見るように促され、ついと目を向けた先。

深々と刺さった棒は、端の飾りをぴょこりと小さな穴から覗かせ

ちろちろと揺れていた。

赤く充血した亀頭に、その銀色がミスマッチで、ひどく卑猥に映る。


「あ、あぁ……い、やだ……っ」

「ああ、ほら、暴れんな」


いい子にしてないと大事なところが傷付くかもしれないぞと、

わざと低く潜めた声で囁くティキは、噛み切れたの唇を舐め

滲んだ血を拭い取りながら、自らのスラックスのファスナーを

つ、と下ろした。


「後ろも今、ちゃんしてやる」

「ひ、や……い、いらな……っ」


ぐに、と押し付けられた熱に腰を引こうとして、けれど動いた拍子に

前の棒が、ずり、と中を擦ったのに、はぎくりと動きを止めた。

そこへ、ぐい、とティキが押し入る。


「あ、あぁ……や、だ……こわ、こわいっ」

「今更だろ。もう前には、こんなことされてんのに」


くつくつと笑って、どんどん自身を埋め込みながらティキは

マドラーの先の飾りをくり、と回す。


「ひぅっ」


つきん、と言い様のない痛みがそこから広がって、後孔に力が入ると、

中にある入りかけの熱の形に内襞がたわむのがわかった。


「やだ……や、も……くるし……っ」


前後の穴を塞がれて、まるで下半身を埋め尽くされているかのような

錯覚に陥る。


「こら、もうちょっとだから力抜け。痛くなっちまうぞ」

「や、だっ……入れんな、ぁっ」

「あんまりイヤイヤ言うなよ。傷付くなぁ」


言いながら、ぐっと突き上げ、全てを埋め込むと、ティキはゆっくりと

身体を倒し、の唇を自らのそれで塞いだ。


「ふ、ぐ……っんーっ」

「苦しいか?」


わずかに唇を離してティキが問う。


「く……しいに、きまって……」


答えるの息は上がりきっていて。


「ごめんな」

「っ……」


小さく謝ったティキは、けれどがそれに反応する前に

再びその唇を重ねて、言葉を封じてしまった。


「ん、ん……んんっっ」


そのまま腰を揺すられ、腹の中を掻き回されているような不快感と、

ティキの、Yシャツを着たままの腹に擦られるペニスに

入ったままの棒が、敏感なそこで不規則に揺れる痛みに、

涙腺が壊れてしまったのではないかと思うほどの涙を零しながら

は呻いてティキを押しのけようとする。


しばらくそうして揺すられ、のそこがティキの大きさに

慣れ始めた頃、今度はずるりと引き抜かれ、また押し込まれる

という動きに変わった。

同時に前の棒も、ゆるく抜き差しされる。


「あ、ひ……っあーっ」


ずるずると身体の中を擦られる感覚に、また新たな涙が零れる。

こんなに泣いたら干からびてしまうと思うのに、涙も唾液も、

そして一番恥ずかしいところから零れる体液も、止まらないどころか

刺激が強くなるにつれて量を増していくのだ。


「あ、ああ、んぐっうー」


苦しさはとうに越え、もう何が何だかわからない。

けれど、痛み以外の何か、そう、何か快感のようなものが

うずうずと、どこかから集まってきているような気がして。


「気持ちよくなってきたか?」

「そん、な……ない……っ」

「うそつけ」


の身体が、身の内のティキの存在を受け入れ始めていることは

既に内襞のひくつきで知れている。

にっ、と笑ったティキは、の性器から手を離すと、両手で

腰を捕らえ、大きく動き始めた。


「あ、ああ、あっ」


張り出したティキの先端が、前立腺を抉るたび、痛みが快感に

摩り替わっていく。

そのうちに、前の痛みも快感に紛れ、ただの疼きへと変化していった。




「っあ……ぅ」


名前を呼ぶティキの声を耳に注がれただけで、軽い絶頂へと

押し上げられてしまったらしいの、棒を咥え込んだままの

そこがひくりと震えるのを、ティキは見逃さない。


「抜いてほしいか?」


ぐりぐりと感じる場所ばかり擦り上げながら、マドラーに触れ、

軽く抜き差ししてやれば、


「あぁっ、あーっあーっ」


は、涙を撒き散らし、縦とも横ともつかない方向に首を振る。


「どっちだよ。ちゃんと言え、してやるから」

「ふ、ぇ……ぅ、ぬい……抜い、てっ」

「んん? 何だって?」


もっとはっきり言えと促すティキを見上げるの瞳は

とろりと蕩けている。

もうすぐだ。もうすぐ……。


「前の、やつ……抜いて、」


甘い声で、縋りつくようにして強請るは、


「イかせ……てっ」

「ようやく落ちてきた」


勝ち誇ったような笑みを浮かべるティキに気付けない。


「もっと、溺れちまえ」

「あ、ああ、あああっ」


ずるりと、マドラーが引き抜かれる感覚は強烈で、

は、身を仰け反らせて悲鳴を上げる。

射精にも似た感覚に曝され、後孔がきゅうとすぼまり、

ティキを締め上げた。


「そうだ、。もっと……」

「あ、あんっあ、あぁ、あっ」


突き上げられ、揺すぶられるたびに、開きっぱなしの

口からは、苦痛の一切混じらない、甘い声が零れ落ちていく。


「あ、ぅ……イきた、いっ……も、イかせ……」

「ああ、イっちまえ」

「んぁ、あぁっ」


勢いよく前立腺を擦り上げ、最奥へと突き込まれた衝撃で

が達すると、ティキもそのままの中へと精を放った。


「は、ふ……ぅ」


疲れ果て、ふ、と意識を手放してしまったの髪を撫で


「俺のものだ」


二度と離す気のない愛しい身体を抱きしめて、ティキもまた

浅くはない眠りへと、おちていった。














〜End〜





あとがき
お待たせしすぎの第二弾です。お待たせ致しました。
今回は地下指定ということで、まるっとヤっております。
うちの地下といえば当然尿道責めですが(当然て/笑)
地下以外に置くのは初めてなので緊張してます(笑。

オチは無理矢理つけたので……このあと、目を覚ました
主人公がティキとどうなるかは、ご想像にお任せということで。
絆されて落ちて甘々エロ生活か
怯えて震えて寂しい目をしたティキに身体だけで繋がれるか
毛嫌いして罵詈雑言投げつけた挙句に手酷く陵辱されるか
(なんつう選択肢出してんだ/笑)

少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。

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