「さん!おはようございます。」
元気な笑顔の挨拶に、
「やぁ、アレン。おはよう。」
にっこり おっとり 返される笑顔。
「お元気そうでなによりです。」
「毎日一緒にいて 何を言ってるのかな 君は。」
「そうですねー、さん。」
「そうだよ アレンくん。」
ふふふ あはは と笑う彼らの周りには、
朝っぱらから 薄いピンクのシールドが張り巡らされている。
「そこー。いちゃついてないで 兄さんの机の整理手伝っといてー。」
そんなシールドは すっぱり無視して、
リナリーが そういい残して去っていく。
「え…」
「ちょっ…リナリー!?」
「早く行かないと、あの人 逃げるから よろしくねー。」
君は どこへ行くのと ツっ込む間もなく リナリーは 部屋を出て行った。
「コムイの手伝い、か…」
心底嫌そうに呟くに、アレンも 少々 逃げ出したい気分だった。
※ ※ ※
「そういえば、さんの研究って…」
「まぁまぁ 進んでるよ。」
コムイのデスクへと 足を向けながら、和やかに会話する二人。
内心 どんなに嫌がっていようが顔には出さないという特技を持つと、
心の中で とコムイを天秤に掛けてみたり しているアレンは、
その黒さの点で、微妙に似通っている。
は 黒の教団の中で働く科学者で、コムイの下に就いている。
アレンが教団に入って間もなく、二人は恋人という関係になった。
それを周囲に憚らない辺り、これまた二人は
不思議に共通しているのだった。
「コムイ室長ー。お手伝いに参りましたけど…」
コムイの机の前。来たはいいが、彼の姿は無い。
が、が 声を掛けると、どさどさーっと紙が崩れる音と共に
コムイが姿を現した。
「やぁ。よく来てくれた!」
「よく来てくれた、じゃ ないでしょう。」
ごしゃっと 崩れた紙の山を見て、は 溜め息を吐く。
「どうして 小まめに片付けないんですか。」
「いやぁ…」
「いやぁ、じゃないですよコムイ。」
「まぁまぁ…おや、アレンくん、君もいたのか。」
「あ。おはようございます。」
ぺこりと頭を下げたアレンをコムイは じっと見つめた。
「へ?な、何ですかっ?」
「いや、ねぇ。うん。」
じーっと、顔を近づけるコムイと 後ずさるアレン。
「こら、コムイ。アレンに何してるんですか。」
べしっ と、コムイの頭に 紙の束が落とされた。
「まったく。遊んでないで 片付けて下さいね。」
言いながらは てきぱきと 紙を仕分けて まとめていく。
アレンとコムイも それに倣った。
「何でアレンくんなの?」
紙をまとめながら、コムイがに向けて言った。
「え?」
「ボクが、ずーっと好きだって言い続けてたのに」
と、コムイが また じっとアレンを見遣る。
「どーして アレンくんなの?」
「ああ、だって アレン、可愛いじゃないですか。」
コムイの疑問に、は あっさりと笑顔で返した。
「って、君 攻なの!?」
コムイの反応に アレンが ずるっと コケる。
「え、違いますよ。」
「へ?…ってことは…」
「アレン、上手いですよ。」
「わーっっ さんっ!! 」
極上の笑顔で言ってのけたに、流石のアレンも慌てた。
「何てこと言うんですかっ!」
「え?だって、本当のことでしょ?」
「いや、あの、だって…」
と、どさどさどさーっと、また盛大な音がした。
見れば コムイが、まとめた紙の束を落としてしまっていて。
「ちょっと!コムイ!! 仕事増やして どうするんですかっ!」
「だって 君が…」
「だって じゃありません!ああ もう…」
は また てきぱきと作業を始める。
「ほら、アレンも ぼーっとしないで!」
「あ、はいっ」
さかさかと 掃除していくを、彼氏になりたかったコムイと、
彼氏になっちゃったアレンが、少々複雑な気分で見つめる。
「こら!二人とも 手が止まってる!」
コムイとアレンは、多分彼らの立場が逆だったとしても
その扱いは 現状と さほど変わりないのだろうな と、
互いに 微妙な同情心を 寄せるのであった。
〜End〜
あとがき
やっちゃいました。「D.Gray-man」!
アレンくん 大好きだーっっ!!コムイ兄さんも大好きだーっっ!!
しかし、2巻分の内容を知らないので 勝手に色々やってます(笑。
何か間違ってても 流しておいて下さいね。
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