愛玩具




泣き叫ぶ声が、ひどく甘く鼓膜を揺らす。

後孔に咥え込ませた淫らな玩具を揺すってやれば、弱いところを

思い切りよく抉ったらしく、さらに悲鳴が上がる。


という、このきれいな青年を町で見かけたのが2日前。

一目見た瞬間に欲情した。

この身体を、思うさま弄って啼かせたいと、一瞬にして湧き出た願望を、

否、飢餓感さえ感じた欲望を、ティキは即座に叶えるべく、その日の内に

手を回し、彼の身を掻っ攫った。誰もいない場所へと。


抵抗する身体を無骨なベッドへと押さえつけ、裸に剥いた。

細く白い肢体に欲情はさらに煽られ、下腹部の茂みに眠る、これも

ほっそりと形の良い性器を目にした瞬間には、既に頭が煮えていた。


名前を問えば、唇を噛み締めて答えようとしない彼の性器を

ひどいくらいに握って、双玉をきつく揉みしだきながら、言わなければ

そのまま潰すと言ってさえ抵抗するので、本当に潰れそうなくらいに

指を食い込ませてやると、怯えてようやく静止の声を発した彼は、

けれど答える前に嘔吐した。

饐えたにおいの吐瀉物にまみれ、それでもきれいなまま、彼は小さく

、と言った。


それが名前で、彼の全てだ。ここではそれ以外何も必要ない。

はただ、弄られて啼いていればいいのだから。



「ひ、ぐぅ……ぁ、ああっ」


ティキが彼をここへ連れてきて、丸一日が経つ。

硬かった処女孔は、半日も弄り続けると柔らかく解け、そこだけで

吐精するようになった。

とろとろと甘く溶けた場所に、しかしティキが突っ込んだのは、己の

欲望ではなく、男性器を模した、グロテスクな玩具だった。





ことさら優しい声で呼べば、びくりと身を竦ませて怯える表情を見せるから

余計に耐えられなくなり、ティキは、もうすっかり覚えたの一番

感じる場所、その性器の先端の窪みに爪を這わせ、少し食い込ませてから

カリカリと引っかいた。


「いぁっ……い、た……っあぅ」


痛いと言いながら、しかしのそこが萎えることはなく、

引っかかれている場所からは、こぷりこぷりと淫液が溢れてくる。

ここへきて、何度も射精させられているのペニスは、

もう薄い体液を零すことしかできないのだが、それでも前後に

施される強い刺激に、充血したまま一向に治まる気配はない。


「あぐ、ぅっあぁっ」


後孔の玩具をぐりぐりと動かされ、前立腺を容赦なく抉られて、

ひどいほどの射精間を与えられるのに、吐き出すものは何もなく。


「イきたいか?」


放出を求めて、ぱくぱくと喘ぐの尿道口を、ティキは、今度は爪でなく

指の腹で優しく擦った。


「ひぅ! んんっ……あ、やぁっ」


もどかしい刺激に頭を横に振って悶えるの髪が、

ぱたぱたとシーツを打った。

そうしてを煽りながら、次にはさらに、尿道口を擦るのとは逆の手で

その両脇をくっと広げ、わずかに現れた粘膜へと動揺の刺激を与える。


「う、あっ、あーっ」


射精の快感から遠ざけられ、それを欲していた粘膜をゆるくとはいえ

擦られて、は目を瞠って声を上げる。


「どうやら、ここが好きみたいだ」


にやりと、ティキが思いついたように笑う。


「本当は、射精しなくてもイけるようにしようと思ってたんだけど」


ドライオーガズムを覚えさせるつもりだったと言いながら、ティキは

ぐりぐりと愉しげにその小穴をくじった。


「ここに、射精と同じ快感を与えてあげることにしようか」


くつくつと笑ったティキが、の尻から玩具を引き抜き、

性器からも手を離してしまう。

ぐったりと力なく横たわるの腕を取り仰向けに固定すると

右の二の腕と右の太股を括り、左も同じように括った。

ひっくり返ったカエルのような格好に、は力が入らないながら

悔しげに唇を咬み、しかし、すべてをむき出しにされた性器から

後孔へと撫で下ろされると、びくりと身を竦ませ怯えたような顔になる。


「少し、おとなしく待ってろ」


わざとひそめた声をの耳に注ぎ込み、ティキが部屋を出て行く。

あられもないかっこうのまま、は、中途半端に煽られたままの

身体を持て余した。

弄られた尿道口が疼いて仕方ないのだ。


自由にならない身体を何とか動かし、膝を閉じると、ころりと右側に

転がってしまった。

下手に動いていれば、戻ってきたあの男に何をされるかわからないと

思って、けれどすぐにそれを打ち消す。

どんなことをしていようがいまいが、あの男はこの身体を好きにするのだ。


さっきの発言からも、また何かよからぬことをされるのは目に見えている。

何故こんなことになったのかと嘆いてみたところで、答えてくれる相手も、

助けてくれる誰かも、どこにもいはしなかった。


部屋に戻ったティキは、の体勢が変わっているのに目を留めたが

特に何を言うこともなく、ころりとその身体を仰向けに戻した。

両膝を大きく割り、再び全て丸見えにすると、長い間広げられっぱなしで

ゆるくなった後孔が、ひくりと開閉する様が見えた。

指を潜り込ませれば、すぐに内襞が絡みついてくるから、ティキは

くつりと笑って、手にしてきた小瓶の中身を掬い取り、

恥ずかしい襞へと塗り込め始めた。


「や、あ……んぅっ」


外の襞を、1本ずつ広げるように塗り込め、それから、内へと指を進める。

くちゅりと粘ついた音をさせながら、内にどんどん塗り広げていく。

やがて、こり、と感触のする場所に、ひどく意地の悪い指は辿り着き。


「ひぁ、あっ、や……そ、こ……だめぇっ」


ぬちゃぬちゃとひどい音が立つようになった場所に、さらに粘るものを

足されながら、前立腺の位置に過ぎるほど丁寧にそれが塗り込まれていく。

悶え、のたうつの揺れる性器を眺め降ろし、ティキはぺろりと唇を舐める。

これからそこに施そうとしている陵辱を思い、口元が緩んだ。


「あ、あっ……あぁっ!?」


不意に高い声を上げて、が、ぐぅ、と背を撓らせる。

どうやら効いてきたようだと、さらに笑みを深くし、ずるりと指を引き抜いた。


「効くだろ、これ。放っとかれたら狂っちまうかもな」


言いながら、後孔からすっかり手を離してしまったティキは、その表情で

そこを放っておく気は満々だと語っている。

しかし、はもう何も考えることなどできず、当然その表情が何を

意味するのかも、気付けるはずが無かった。


薬と、の体液とに濡れた指で、今度はに乳首を摘む。

先端に擦り込むように撫でてやると、ぴくりとの性器が反応した。

そうしてそこにも、たっぷりと薬を馴染ませると、今度もまた、

そこからすっかり手を離してしまう。


「あ、あ……んんぅ……ぁっ」


即効性の薬は、既に身体を追いつめているというのに、きつく唇を

噛み締めて堪えようとするを見下ろして、その無駄な足掻きを

ティキは嘲笑う。


「かわいそうになぁ、こんなことされて。苦しいか?」

「い、あぁっ」


言いざま、ティキは、緩く勃ち上がって、出るはずも無い精液を

勢いよく放ちたいのだと主張するのペニスを、きつく握り込んだ。


「ここも、もう出せないってのに、健気だな」


そうして、きつく握ったまま、放出を求めて、ひくひくと開閉する小穴を

先ほどもしたようにくすぐって、を悶えさせる。


「こんなに、ひくひくしてちゃかわいそうだし……」


にやりと、今までになくひどい笑みを見せて、


「約束のものをあげようか」


ティキが残酷なまでに優しく囁く。

一方的に告げられたそれが、約束になるかどうかはともかく、

射精と同じ快感を、という先ほどの言葉が耳の奥に蘇る。


「最初は少し痛いが、すぐに慣れる」


呪詛のように、の耳の言葉をそそぎ込んで、それから。


「まあ、射精か放尿かの区別はつかないだろうけどな」


くつくつと笑い、のものを握るのとは逆の手に、いつの間にか

用意してあった銀色の細い棒を、先ほどの小瓶へと浸して。


「や、いや……やっ! やめ……」


くちりくちりと、尿道口を掻き混ぜ始める。


「あっ……やぁっっ」


入り口にされようとしている穴は、強い薬を塗り込められて、

さらにひくつく。


「欲しがってるな」

「な、い……あ、や、だぁっっ」


くぷくぷと掻き混ぜながら、徐々に中へと入ってくる棒に

はひどく怯え、ティキを喜ばせてしまう。

亀頭部分くらいまでだろうか、棒が沈んで、強烈な違和感に

自由にならない身体を捩った。


「いや……いやだ、やめ、て……っ」


しばらくそのまま、くりくりとやられ、ずるりと棒が引き抜かれると、

なるほど確かに、排泄の感覚があることを、は身をもって知らされた。

けれど、頭の中は恐慌状態で、もうこれ以上されたくないと、

その思いばかりに支配され、何が何だかわからない。


「あ、あ? ……っあぁっ」


しかし、抜かれて数秒後、は、あらぬところに感じた衝動に

びくりと身をのたうたせた。

尻穴と乳首を支配する痺れるような熱い感覚が、たった今卑猥な遊戯に

さらされた場所に、襲いかかってきたのだ。




「ひ、ぅ……っ」

「欲しいか?」


問うティキの声は、勝利を確信した、男の響きを持っている。


「あぁっ」


乳首に指を与えられて、軽く揉まれ擦られる。

後孔にも指が与えられた。

くぷりと2本、潜り込んで、焦らすことなく前立腺を推し揉む。


「あ、あっ! く、ぅあっ」


ふるふると、勃ち上がって揺れるその場所には、さらにひどい

いたぶりが待っていた。

指に押され、ぱっくりと開いた尿道口に、あの小瓶の口が当てられ、

こぷりと中身が落とされた。

そのまま、擦るように揉まれ、大半あふれてしまったものの残りが

じわじわと尿道の中へ伝い落ちていく感覚に、は、

この先を予感して身を捩って逃れようと足掻いた。

と、するりとティキの手が離れる。


「え……」

「強請れば、してやる」


言ってティキは、そのまま離れて行き、近くの椅子を引くと、すとんと

腰を下ろしてしまう。

は、縛られたままの身体を何とか丸め、ティキに背を向けて

恥ずかしい場所を隠すことに成功した。

しかし、ティキは何も言わず、ただじっと向けられた背中を、楽しげに

眺めているだけだ。


「っ……ふ、ぅっ……」


やがて、じわじわと、薬を塗られた箇所が嫌な感じに疼き出し、

は身体を引き攣らせた。

さきほどまでは、それでもどこかしらに触れられ気が紛れていたものを、

今は、皮膚がシーツに擦れる程度しか刺激がなく、いやらしい薬の効果を

ダイレクトに受け止めてしまう。


は悩ましく身を悶えさせ、必死で強請る言葉を口にすまいとする。

乳首に、あの指が触れたら。

尻の穴に、あの玩具を与えられたら。

今この拘束を解かれたら、自分はすぐにでも己の手でそこを慰めるだろう。

そして多分……自らのペニスの小穴に……あの棒を……


「い、やぁ……ぁ、あっ」


考えるだにおぞましい。

しかし、の身体は既に限界を超えていた。


「お、ねが……も、ゆるし……っ」

「何を、してほしい?」


音を上げれば、ことさら優しく、残酷な問いを寄こされる。


「……っ、あそこ……さわっ……」

「どこ?」


間髪いれぬ追い討ちに、ひどい、と泣けば、ティキは笑みを深くする。

完全に楽しんでいるとしか思えなかった。


「お、しり……の、なか……」

「尻の中?」

「指、入れ、て……くださ……んぁっ」


言い切る前に、ずぷっと、その長い指が与えられ、ぐちゅりと掻き回された。


「やりづらいな」


と呟いたティキは、もう一度を仰向けに転がし、腕と足を拘束する

紐をどこからか取り出したナイフで切り解いた。


「さて、次は、どうして欲しい?」


言いながら、ティキは自由にしたの手を、薬を含んでピンと

立ち上がっている乳首へと添えさせ、自分で弄るようにと唆す。


後孔と乳首への刺激で、身体はどんどん昂ぶっていく。そうすると、

もう一ヵ所、薬に晒された部分が、じくりじくりとひどく疼き出して……


「あ、あ……っ、いや、いやだぁっ」


言うまいとする理性と、薬に唆される身体が拮抗し、暴れだした

けれどティキは前立腺を強く押し上げることで止めた。


「ぅあーっ、あーっ、やあぁっっ」


その瞬間、悲鳴をあげ、出せないまま軽く絶頂したの理性は

そこで崩壊した。


「して……ここ……」


いささか躊躇いがちに、自らの手をペニスへと滑らせ、先端をティキに

見せるように晒す。


「そこに、何を?」

「さっき……さっきの、棒……い……て」

「きこえない」

「入れ、て……」


入れてくれと言えば、本当に先ほどと同じくらいの深さで与えられ、

つんとした痛みを伴った快感が広がった。


「あ、あ……っ」

「これで満足か?」

「や……あ、もっ……とっ」

「もっと?」

「もっと……奥、に……」


言ったと同時に、ぐぐっと、硬い棒が処女孔を割った。


「あ、あ……はっ……あぅっ」


棒は奥へ奥へと容赦なく進められていき、尿道が曲がっていてそれ以上

入らないというところまで、みっちりと押し込まれた。


「ひぐ……っう、あっああっ」


びくびくとの身体が跳ねる。

初めての穴の奥は、弄られればとても暑くて。

刺激は脊髄をつたい、まるで脳みそまで焼かれているような錯覚に陥り、

は目からぼろぼろと涙を零しながら、腰を揺すってその感覚から

逃れようと足掻いた。


「ひっ……あーっあーっ」


しかし、動けば性器も一緒に揺れてしまうから、深く突っ込まれた棒も

強く揺れ、狭い内部を擦り上げることになってしまう。


「可愛い……きれいだ、……」


うっとりと。ティキが身を悶えさせるを見下ろして笑う。

棒に押し拡げられ、ぷっくりと盛り上がった尿道口に指を這わせ、

刺激に震えるを愉しむ。


「あ、あ……や、だぁ……入って、る……よぉ」

「どこに?」

「ふ……ぁ、お、ちんちんの、なかぁっ」


甘く囁かれ、唆されるまま、の口からはいやらしい言葉ばかりが

零れ、ティキを喜ばせた。

そして。


「さ、。棒を抜こうか」

「あ……」

「ゆっくりと、はやくと、どっちがいい?」


にこりと笑って、残酷な、酷く残酷な問いを投げかけられて。

けれど抜かれる快感をも、先ほど覚えてしまったから、抜こうかという

言葉は、の耳に、とても甘く届いていて……。


「っ……は、やく……抜い……て……っ」

「やらしいね、

「っあ、う」


突き刺さる棒を、くりくりと回され、ぞわぞわとした感覚が

背すじを伝っていく。

その感覚に身を震わせていたの後孔に、熱いものが押し当てられた。


「あ……?」

「よーく解れたから、一気に入れても平気だよな」


笑いながら、自らの男性器の先端を、ひくつく穴に飲み込ませ、

そこでティキは一旦動きを止めた。


「かわいいお人形さんにしてやろう」


くつくつと愉しげに嬉しげに笑い、の腕を取ったティキは、そのまま

を引き起こし自分の膝に乗せるようにして、勢いよく、自身の熱を

柔襞の中へと突っ込んだ。

同時に、尿道深く入った棒を、こちらは一気に引き抜く。


「ひ、あ、ああぁぁぁぁっ」


腹の中に灼熱を突き込まれ、一番敏感な小穴には強烈な排泄を与えられて。

長い悲鳴を上げたは、どこか遠くで、ぶつりと何かが切れる音を聞いた。


「あ……あ……あ、ぅ」


がくがくと震えるの、棒を引き抜かれた小さな穴は、くぱくぱと開閉し

時折痙攣するようにしながら、透明な体液をたらたらと零す。

瞳からは涙が零れ、開いたままの口からは唾液が零れ落ちて、喉さえ

つぅ、と濡らしていく。


力の抜けた身体は、優しくない突き上げに、がくんがくんと揺れて、

滴る体液はどれも、びたびたと四方に散り粘ついた音を立てた。

やがて、腹の奥に、どぷりと。


「ひ、あ……ぅ、んっ」


放たれたのは、熱く重苦しい体液。


「あ、あ、あ……」


どくどくと、その体液を注がれるの目は見開かれ、しかし

焦点を結びはしない。


「可愛い、……オレのお人形……」


壊れたように痙攣するの身体をゆるゆると撫でながら、ティキは

ふわりと幸せそうに微笑った。


「もっともっと、可愛がってやるよ」


幸か不幸か、快楽の果てに突き落とされたの耳には、

その甘い囁きが、届くことはなかった。












〜End〜





あとがき
長い文章になりました……。
自分なりの萌え要素もエロ要素も入れたはずなのに
萌もエロも足りない気がするのはどうしてか。
みなさまには果たしてこれでご満足頂けているのか……
少しでも楽しんで頂けていれば幸いです。

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