the New Year holidays





「っあー、疲れたーっっ」


寝室に入るなり、ぼすん と ダブルサイズのベッドに正面からダイブして

が叫んだ。


「はい、お疲れさま。」


に続いて寝室のドアをくぐったロイは、くすくすと笑いながら

着ているYシャツのボタンを上から3つほど 外した。


「お疲れさまって…自分だって疲れてるくせに…」


何か 腹立つ!と 頬を膨らませるは、ころりと ベッドの上で転がった。


、寝るなら着替えなさい。」

「うわー、子ども扱い…」

「可愛い君が悪いんだ。」

「悪いのは ロイの目だろ。」


言いながらの瞼は、ふよふよと瞬いて そのまま くっつきそうになっている。


「こら、。そのまま寝たら…」

「んー…だって、眠い…」


ロイの言うことなど 多分もう ほとんど耳に入っては いないのだろう。

は のそのそと ロイに背を向けるように寝返りを打った。


「こーら、。」

「んー」


なにゆえに が こんなに疲れているかと言えば、

今日、一年の締め括りの日である この日に、大々的なパフォーマンスを

やって下さった バカがいたせいで、ロイを始めとした 東方司令部の面々が

取締りと後始末に 駆り出されることと 相成ったからである。


きな臭い爆竹の余韻の中、流血沙汰にまでなった乱闘を制し、

騒ぎに乗じて窃盗があったと言われ 犯人を捜して。

それを何とか片付けて司令部に戻り、乱闘騒ぎの中核にいた人間

二十余名の情報を文書に纏め上げ、更に報告書を書き上げて

やっと帰宅を許されたのは 時計も二十三時を回ろうかという頃。


ロイも同じだけの時間 拘束されていたというのに、こんなに疲労に差があるのは、

が 無駄に走り回ってしまう性格をしているからに他ならないが、

ぱたぱたと走り回りながら ぶつぶつと文句を言っているが可愛くて

そこに無駄が生じていることを ロイが指摘しないことも 原因として挙げられるだろう。


、その恰好で 年を越す気かい?」


時計の長針が天を向くまで あと数分。

ロイは 本気で眠ろうとしているの肩に手をかけ、仰向けに転がした。


「んー…脱がして…」


ごもごもと まるで寝言のように言ったの瞼は もう くっついてしまっている。


「まったく…仕方ないな。」


ロイは 小さく嘆息すると、力の抜けたの身体から 慣れた手つきで

服を脱がせていった。


脱がされているはと言えば、声をかければ あー とか うー とかいう

返事らしきものは するものの、はっきりと覚醒することはない。


時計に目をやれば、もう間もなく 日付が変わるという時間だった。

ロイは の足から 下着をも引き抜き、自分も着衣を解いた。

一糸纏わぬ姿で しどけなく横たわるを見下ろして ロイは ふっと笑った。




「ん…」


だんだんと反応の薄くなってきたの隣に横たわり、薄手のタオルケットを

二人に纏めてかける。

そうしておいてロイは、まだ 夢とうつつの間を漂っている

その下腹部へと手を這わせた。


「ん…んー」


むずかるように眉を寄せたは 意識こそ うつつに戻っておれど、

多分 目は開けたくないのだろう。ロイの手を抑えようと 緩やかな抗いを見せる。


ロイは それに構うことなく の自身を揺り起こすべく 手を動かした。

性感をダイレクトに煽る やり方に、は 早々に音を上げた。


「や…だ、やめ…っ」


うっすらと開かれた目は、ロイを捉えて 艶やかに潤んでいる。


「ジャストタイミングだ。」

「え…?」

「今、丁度 日付が変わった。」

「あ…」


年が明けたことを告げられ、は しぱしぱと目を瞬く。


「今年も よろしく。」


言って にっこりと笑ったロイに、こくりと頷いて「こちらこそ」と返してから

は、はた と我に返った。


「ねぇ、ちょっと ロイ。この手は何…?」


ロイの手は 相変わらず の自身を 緩やかに擦っていて、


「何って言われてもね。が 思っている通りじゃないか?」


くすりと笑って返す声は、まったく悪びれた色を含まない。


に触れたまま 年を越せるなんてね。」


昼の乱闘にも感謝かな、などと言ってのけるロイは、

が 抗うことの出来ない、ひどく幸せそうな笑顔を見せる。


「今年も ずっと 君に触れていたいよ、。」

「今年だけ?」


ちょっとだけ からかうような色を見せたに、


「いいや。この先 ずっと…」


ロイは真剣な声で そう告げて、の 緩やかに勃ち上がり始めた自身を、

きゅっと握り込んだ。


「あっ」


急に 敏感な括れを強く刺激され、は 僅かに背を反らす。


「さて、今年の初セックスと 洒落込もうか。」

「洒落込むって それ…気の利いたことかよ…っ」

「当然だろう?」

「うそ…つけっ」


きゅむきゅむと 急所を締め付けられ、は 息を乱す。





ことさら甘い声で名前を呼ばれる。

は とくり と心臓が跳ねるのを感じながら、ロイと視線を合わせた。


「足は 自分で開く?それとも 開かされたい?」

「っ…」


一瞬ときめいたは ロイのセリフに、くらりと 世界が歪むのを感じた。

何てことを言うんだと 掴みかからなかったことを 褒めてもらいたい。

は 顔を真っ赤にして ロイを睨んだ。


「そんなに可愛い顔で睨まれたら、抑えがきかなくなる」


飄々と言ってのけて、ロイは 自身への愛撫は止めないまま

後孔へと 逆の手を滑らせた。

情交に慣れたの そこは、くぷりと音を立ててロイの指を飲み込む。


「ん…っ」


の自身から溢れる蜜を使ったのだろう。後孔に食まされたロイの指は

スムーズに内部を暴いていく。


「っ…やっ!そこっ…やめっ」


くっ と 中で指を折り曲げられ、は びくりと 身体を竦ませた。

生理的な反応を促す器官を 集中的に刺激され、苦しいほどの快感を与えられる。

そればかりか、の自身を愛撫する手は、悪戯に その先端の小さな孔に

爪を 潜り込ませるように弄り始めた。


「あぁぅっ や…やだっっ」


与えられる刺激は 強すぎて、もう既に痛いくらいだ。


「ひぁ…っぁあぁぁっっ」


両方同時に きつく抉り込まれて、は 否応無しに 絶頂へと押し上げられた。


「ぁ…ふ…っ」


急速に追い上げられた身体は ひどく怠く、息を吐くことさえ億劫で

は そのまま眠りに落ちてしまおうと 目を閉じた。

が、しかし ロイが そこで止まるはずもなく、ぬくりと体内に押し入ってきた

熱い感触が を引き戻す。


「んっ…ぁ…」



「んぅ…っ」


全てをの中に収め、愛しげに その唇にキスを落としてロイは 幸せそうに笑う。


「ぁ…」


それだけで は ひどく感じてしまい、達したばかりの自身が また熱を凝らせる。


揺さぶられ、弱い部分を擦り上げられて は 二度目の絶頂を迎える。

同時に、きつく締め上げられたロイも の中に 精を放った。


「あー…もう、疲れてんのに…」


無茶苦茶するな と 睨む目には もう力が入っていない。


「いいじゃないか。今日は二人ともオフだ。」


そうの耳に囁くロイの自身は、また固さを取り戻しつつある。


「や、うそっ…」

「何が嘘?」


慌てて身体を離そうとするを ロイは易々と押さえ込む。


「ちょっ…無理だって もう!」

「今日は 一日あるんだ。後で いくらでも眠れるだろう?」

「俺は 今すぐ寝たいの!」

「却下」


にっこりと笑って言ったロイは、既に ゆるゆると 腰を使い始めている。


「あーもう、信じらんない…」


年の始めから これでは、この先 一年、一体どうなることやらと 自分の身を案じる

は、しかし 本気の拒絶を 見せることはない。


何だかんだ言って、結局は 自分も それで幸せなのだから 仕方ない と、

は ゆっくりと 目を閉じた。












〜End〜





あとがき

正月企画 第一弾。のっけっから えっちぃ話で ごめんなさい(笑。
本当は微エロになるはずだったんですがねぇ…
いつのまにか こんなに喘ぐことになっちゃった主人公に同情。
自分のせいだ なんてことは、ちゃっちゃと忘れてしまうに限る(笑。

今年も一年 突っ走ります!どうぞ よろしく お付き合い下さいませ。

ブラウザ閉じて お戻り下さい。