あたたかいのは、大きな ぬくもりを抱きしめているから。
年の終わりに おつかれさま、と言って抱き合った。
年の初めは 今年もよろしく、と言ってキスを交わした。
あたたかくて、あたたかくて。
ふわりふわりと揺蕩うように身体を交えた。
気持ちは とても穏やかなまま、二人一緒に熱を解放して。
そっと身体を離しても、もっと もっと ずっと
くっついていたいという気持ちが冷めなくて、
彼の頭を胸に抱くようにして、やわらかい黒髪に指を通した。
「ロイの髪、気持ちいい」
「そうかい?」
「うん、やわらかいよね」
ふわふわと 指に絡めた それを揺らしながら言えば、
ふっとロイが笑った気配がした。
「の胸も、すべすべしていて気持ちがいいな」
「ひゃっ」
いきなり ぺろりと胸を舐められ、裏返った声が出る。
したばかりだから まだ過敏なんだ。
「ちょっと、もう、ロイってば…」
「いや?」
「いや」
「つれないな」
拗ねたようにロイが呟くけれど、甘やかしてなんてやらない。
「これ以上何かしたら、俺ソファで寝るからね」
「それは困るな。一人では、寂しくて泣いてしまいそうだ」
「あ、それ 見たいかも」
ロイの泣き顔なんて見てみたいに決まってる。
「ひどいな、。私を泣かせる気かい?」
「泣かせてはみたいけど……」
「けど?」
「一人は俺も寂しいから、ソファには行かない」
だから手は出さないでね と笑えば、返ってくるロイの苦笑は
それでも甘かった。
「ああ、ずっと、そばにいてくれ」
今夜は もう何もしない、と言ったロイが、
「うん。いるよ、ずっと」
「何があっても、ずっと……」
不意に真剣な顔で そう呟いた。
「ロイ?」
「あ、いや……」
訝って、問うように名前を呼べば、彷徨う視線が、
言うつもりのなかったことを言ってしまったのだと知らせる。
胸に抱きしめたままの彼が、少し身を硬くするのを感じで、
彼が何かを抱えているのだと知る。
それが何なのか、俺には わからないけれど。
「大丈夫、ずっと、そばにいるから」
何があっても、きっと あなたの そばにいる。
安心させるように、少しの気休めにでもなればと祈りながら、
そっと その髪を梳く。
ゆらりゆらりと時間は流れ、やがて、穏やかな寝息が
胸を撫ではじめた。
あたたかいのは、大きな ぬくもりを、抱きしめているから。
彼の強さも、弱さも、すべて ひっくるめて、抱きしめているから。
「愛してるよ、ロイ」
あたたかくて、あたたかくて。
自然に言葉が零れていく。
愛しいと、思う気持ちが あふれていく。
ふわりふわりと揺蕩うように、俺は優しい眠りへと、
引き込まれていった。
〜End〜
あとがき
少し短めの お話になりました。
微エロですらなくてホントにもう……
せっかくお正月なのに、って感じですね。
まあでも、えっちぃ話はいつでも書けますから!(笑。
今年も 甘く あったかい夢を お届けできたらいいな、と
思っております。
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