ロイの家に着くなり、バスルームに押し込まれた。
と、いうか。
玄関を入った瞬間に、満面の笑みで
『シャワーを浴びておいで』
と言われて 突っぱねられるほどの勇気はなかった。
だって怖いだろ!? 満面の笑顔だよ、あのロイが。
逆らったら 即その場で 取って食われそう…
とか思って 大人しく押し込まれた俺がばかだったと気付くのに
要した時間は 約3分。
シャワーを浴びている最中に、ぱたん と音が 耳に届いた…。
「ぎゃーっ!何入ってきてんだよっ!! 」
「ん?」
入ってきたロイは、何も身に着けていなくて、
「ん?でなくっ!」
手にタオルは持っているものの、特に前を隠そうとはしていない。
「何だ、は 恥ずかしいのか?」
「は?」
「いいじゃないか、一緒にシャワーを浴びるくらい。」
「や、くらいって…」
「何なら バスタブに湯を張ろうか。」
「え、あの、ロイ?」
「さ、おいで。背中を流してあげよう。」
にっこり笑って 優しげに言われても、素直に従う気にはなれない。
「?」
軽く首をかしげて 手を伸ばしてくるロイに、
執務室で言われた あのセリフが思い返される。
『家の中でも ベッド以外の場所は たくさんあるからね。』
…えーと。
「初めから こういう つもりだったわけだ。」
腕をつかまれ 引き寄せられる。
「勘が良い子は 好きだよ。」
「子とか言うな。」
「ベッドでは 積極的なのにな。」
「うるさいよ。」
※ ※ ※
ぬるりと、滑る、泡。
「わっ!ちょっとロイっ…ぁ」
泡まみれになった俺の身体を滑るロイの手。
立ったまま、後ろから腰を支えられ 這わされる手は、
肩から背中、双丘へと辿り…蕾の入り口を ぬるりと撫でる。
「ふあっ!? 」
そのまま つぷりと進入を果した指は、当然泡まみれで。
その滑りを借りて、中を探る指は すぐに2本に増え、3本になった。
「んっ…んぅっっ」
バスルームの壁に反響して、いつも以上に 嫌らしく感じる自分の声。
それが恥ずかしくて 唇を噛み締めた。
「声を出しなさい。」
「ん…やっ…」
「声を堪えたら、辛いだろう?ほら。」
「ん…くっ」
「まったく…強情だな。」
ふぅ、と 溜め息を吐いたロイは、
中を弄る手はそのままに、逆の手を 俺自身に伸ばした。
肩口についていた泡を、その手の平に たっぷりと掬い取ってから…。
「っ…あ…あっや…っっ」
「そうそう。そうやって素直にしてなさい。」
泡まみれの それは、ロイの手に擦られるたびに
ぐちゅぐちゅと 音を立てていて、
「あっ…あ…んっ」
口から零れる喘ぎとともに、俺の耳に届く。
当然、ロイの耳にも。
直接 身体に与えられる刺激と、感覚的に与えられる刺激。
その両方が 同時に襲ってくるのだから 堪らない。
「く…ぁ…あっ」
中を探る指は 的確に俺のウィークポイントを捉え、
前を弄る手は、意地悪く 先端を ゆるゆると撫で回す。
「ふっ…ぁっ」
「可愛い、」
耳元に囁かれて、膝が崩れた。
俺自身から手を離し、腰を支えているロイの腕に、
体重を預けてしまうことになる。
と、ずるり と 後ろから 指が出て行った。
「…ロイ…も、やだ…」
刺激から解放されて、しかし 膝の力は戻らぬまま。
取り敢えず、バスルームから出たいという思いを込めて
ロイを振り返る。
「これからが本番だろう?」
「でもっ…ここ、声…」
「何事も 経験だよ、。」
そう言ってロイは、バスルームのタイルの床に座り込み、
俺は ロイに背を向ける形で、その膝の上に下ろされた。
ずぐっ と、後孔に走る衝撃。
「っ……ぁ」
潜り込んでくるロイ自身は、呆気ないほど簡単に、
俺の奥に到達した。
「あ…ああっっ」
ただし、その刺激は 決して小さなものではなく…
それが 奥に届いた瞬間、俺は 白濁を飛ばしてしまっていた。
そこから先は、もう何が何だか分からなかった。
濡れた音も、響く声も、絶えることなく耳に届いていたけれど、
羞恥は ロイによって快感に変換され、俺はただ 身を任せるしかなかった。
※ ※ ※
「大丈夫かい?」
うっすらと 目を開けた瞬間、聞こえたのは ロイの声。
ひんやりと 額に感じるのは…タオル?
「ん…」
しっかりと目を開けて周りを見れば、そこはベッドの上で、
隣には ベッドヘッドに寄りかかって 本を読んでいたらしいロイ。
「具合は?」
「え…?」
「覚えてないかい?バスルームで気を失ったこと。」
「あ…」
覚えていたくなかったですよ。ええ。
恥ずかしいったらねぇ…。
「で?具合は?」
「ん、平気。疲れたけど。」
「じゃあ、このまま眠ってしまいなさい。」
「今…何時?」
「午前1時…だね。私も そろそろ寝るとしようか。」
ロイは サイドテーブルに本を置くと、俺を抱き込むように腕を回してきた。
「…」
「ん、何?」
呼ばれて顔を上げたら、ロイの顔が近づいてきて、そっと 唇が触れた。
「ん…」
この暖かさが 曲者なんだ。
口内に侵入してきたロイの舌が、ゆっくりと壁を辿っていく。
性感を煽るものではない それに、うっとりと 目を閉じた。
ちゅ、と 唇を離されて、
「は…ぁ」
少々上がってしまった息を整えようと深呼吸したら、ロイと目が合った。
「」
ぎゅっと 抱き寄せられて ロイの胸に顔をうずめたら、
「次は どこがいいかな」
なんて声が 耳に届く。
「………ぇ?」
「キッチンあたりで どうだろう?」
それって…それって!!
「まだ…やる気?」
「昼休みの司令室でも いいんだよ?」
何言ってんですか あんたーっっ!!
と、叫びたくても 疲れて腰に力が入らない。喉も本調子じゃない。
…くそぅ…
「勘弁して下さい。」
ロイが くすくすと笑っているのが、振動でわかる。
文句を言ってやろうとして、瞼が落ちていくのを感じた。
あー…だめだ。眠い…。
明日 ちゃんと起きられるかな。
給料明細 取り返さなきゃ…
なんてことを考えているうちに、俺の意識は夢の世界へ向ったらしい。
ふわふわと 髪を梳かれる感覚が、あったような気がした。
〜End〜
あとがき
久しぶりの100題です。書く書く言ってて放置しちゃった作品。
なので、ネタ自体は3ヶ月くらい温まってたもの(笑。
残り97題…先は長ぇ!でも萌えてるんで頑張ります!
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