朝から のどの調子が悪かった。
昨夜 ロイに 散々されたせいだとは思うんだけど…。
で、まぁ 他に具合の悪いとこは なかったんで、
司令部に出てきたら、司令室にエドがいて、
のどにいい薬を持ってるってんで、もらって飲んだ。
…のだが しかし。
「何じゃこりゃーっ」
薬を飲んで約5分。
俺の胸は、何だか ふっくらしていた…。
「あ。わり。間違えた。」
「間違えた…って おまっ…お前…」
軍服の上からでもわかる、ふっくらと膨らんだ胸。
「ふむ…Cといったところか」
呑気に言ってのけるロイ。
「あの、中佐…」
心配そうに声をかけてくるハボック。
…ロイより こいつのが いい奴だ。うん。
「下、どうなってんスか?」
前言撤回。
スパァン、と音がして、ファイルがハボックの顔面になついた。
ものすごくいい音がしたから、結構痛かっただろう。
投げたの 俺だけどな。
で、結局。
司令部内を混乱させないために と、俺は司令室に籠って、
資料整理やら するハメになったんだけれども。
「…邪魔。」
動くたびに揺れる胸が邪魔。
邪魔なだけならまだいいが、下手な動き方をすると、
揺れてと言うか、擦れてと言うか 痛い。
どうしても邪魔で耐え切れなくなった昼休み。
仕方なく、ホークアイ中尉に付き合ってもらうことにした。
どこへ…って、下着屋へだよ!
軍服じゃ何だってことで、私服に着替えて司令部を出た。
「ホワイトとピンク、どちらが よろしいですか?」
「え…」
目の前に掲げられたのは、フリルの付いた上下セットの下着。
左が白で、右がピンク。
「や、あの…もっと シンプルなやつ…」
俺の言葉に中尉は、少し不満気な顔をすると、
持っていた2つを元の場所に戻した。
そして、また別のものを手に取り 俺に見せる。
「ホワイトとピンク、どちらが よろしいですか?」
フリルこそ付いていないものの、今度も何故か 白とピンク。
「ベージュとか、ライトブルーとかいう選択肢は無いんですか?」
「ブラックにします?」
…ないらしい。
仕方なく、白を選んで(ピンクよりマシ!)試着室に入った。
「うわ ぁ…」
驚き3割 呆れ7割の呟きは、ここにはいないロイに向けたもの。
何で目測でサイズがわかるんだろう…
(まぁ、さすがにアンダーは ここに来て測ったんだけど)
ふと目を上げて据え付けられている鏡を見た。
女の身体。
何か、変な感じ。
女の子を抱いたことはあるけれど、
あの ふわふわした胸が 自分にあると思うと、
ものすごく変な気分だ。
顔つきも、身体つきも女性のそれになっていることに
眉根を寄せながら、身支度を整えた。
試着室を出ようとすると、店員の女の人に、
付けて帰りますかと聞かれ、慌てて首を横に振った。
だって 何か…何となく 嫌だろそんなの。
司令室に帰って、取り敢えず 更衣室に向ったら、
入る寸前で 中尉に止められた。
「そちらは 男子更衣室です。」
当たり前じゃないですか と言いかけて、思い出した。
俺、今 女だったっけ。
「でも、俺の制服が中に…」
「サイズが合わないでしょう。背も縮んでますし。」
うそだろ?身長まで!?
…そういえば 心なしか目線が低いような…
「私の制服を貸します。」
「…ありがとう ございます」
すっごい 複雑な気分だ…。
先に戻っていますと言い残して出て行った中尉を見送って、
買ってきたものを引っ張り出し、身に着ける。
下をどうするか迷って、せっかく買ったし、
今日限りだろうからと、履いてみた。
…変な感じ。
それ以外に どう表現しろと?って感じだ。
『付いてない』のも しっかり確認してしまったし…。
司令室に戻ると、昼休み前よりも 更に女性味が
増してしまったらしい俺に、みんなが ぽかんと口を開けた。
ロイも、俺を見た瞬間 フリーズした。
そこで気付いたのが、俺は しっかりロイを見上げなきゃいけない
身長になってるってことで、(多分 中尉と同じくらい)
これまた ものすごい違和感を拭えないまま、
午後の仕事を こなす事になった。
※ ※ ※
慣れない身体で 何とかかんとか仕事を終えて、
大急ぎで更衣室に行き、自分の服と荷物を引っつかんで外に出た。
急がないと、今日はロイと上がりの時間が一緒だから。
何故逃げるかって?
こんな身体になっちゃ、ロイが面白がらないはず ないじゃないか!
「?そんなに急いで どうしたんだい?」
「どぅわっっ」
後ろから声をかけてきたのは、今 一番会いたくない相手。
そろりと振り返れば、いつの間に着替えたのか、私服で立っているロイ。
しかも にーっこり笑顔のおまけ付き。
「…何で、着替えてたりするわけ?」
「逃がすと思った?」
君の考えることなんて お見通しだよと 言わんばかりの笑顔。
まぁ、実際 見通されてたわけだけど。
「あ、あははははっ!まぁ、うん、じゃ、そゆことで!! 」
引きつった笑いを浮かべて。早足で切り抜けようとしたけれど。
「逃がすわけ ないじゃないか。」
がしっと 腰を捕えられ、引きずるように連行される。
「いやーっ」
抵抗 虚しく、俺はロイ宅に お持ち帰りされた。
かなり本気で暴れたつもりなのに、易々と押さえ込まれてしまったのは、
やはり 俺が、女になってしまったからなんだろうか。
※ ※ ※
「な、ロイ、今日は やめない?」
中尉に借りた軍服を脱がされ、下着は残したまま ベッドに転がされた。
「やめない。」
「あ…っ」
下着の上から 胸の膨らみをつかまれる。
「やわらかいな。」
「っ…いつもは 硬くて悪かったな。」
「硬くても、感じるんだから問題ないさ。」
…何だそりゃ。
文句を言おうとしたら、深く口付けられて 力が抜けた。
キスを続けながら、ロイの手が背中に回り、下着のホックを外す。
「あ…ふ…ぅっ」
直に胸を揉まれて、その感覚に ものすごい違和感を覚える。
…俺の身体じゃ ないみてぇ…。
そうは思えど、感覚は確実に自分のもので、
上がる息も、口から零れる声も、自分のものに違いなくて…
その不調和が、さらに俺の熱を上げているのだと、
快感に押されながら、頭の片隅で ぼんやりと思った。
しかし、ぼんやり考えることが可能だったのは そこまでで、
「ひゃぁぅっっ」
ロイの手が、下着の上から そこを探ると、
信じられない程の衝撃が来た。
何?何コレ!?
「やっ…やだ!ロイっっ!! 」
下着越しに探り当てられたのは 小さな突起。
それが どんな部分かなんて、知らないはずはなかったけれど、
でも!だけど!こんな凄まじいものだとは思っていなかった。
「可愛い、」
「い…やぁ…あぁっっんっ」
ぐりぐりと押し付けられ、弾かれて、
直に触られているわけでもないのに 腰の感覚が怪しくなってくる
そのうち、ロイの指が その少し下に伸ばされた。
下着越しに ゆるゆると 入り口を撫でられる。
「ぅ…んっ」
少し柔らかくなった刺激に、ほっと息を吐いたら、
ロイの手が 下着の中に入ってきた。
「濡れているね。」
入り口を擽るように指を動かされると、
くちゅくちゅと湿った音が聞こえる。
「や…だぁっ」
つぷり と、指が1本 中に入れられた。
痛くはないが、気持ちよくも無い。
ただ『入ってる』感じ。
1本で苦痛を訴えない俺を見て、
入ってくる指が 2本に増やされた。
「い…っつ」
拡げられる痛み。『初めて』の痛み。
「痛い?」
優しく問われて こくりと頷く。
ロイは一度指を引き抜くと、俺の下着を下ろし、足を開かせた。
「あっ…やだ。恥ずかし…っ」
自分でも はっきり見てはいない『女』になった そこを
ロイの目に曝される恥ずかしさに、そこを隠そうと手を伸ばした。
「だめだよ、。ちゃんと させてくれないと。」
「だって…これ、や…」
「」
ふいに 真剣な声で呼ばれ、視線を上げれば、真剣な目をしたロイ。
「の『初めて』を 私にくれないか?」
「え…」
「諦めていた、の『初めて』が 今 目の前にあるんだ」
そういえば。出会ったときにはキスもセックスも経験済みで、
抱かれることにも慣れていた。
「…」
求めるように呼ばれて、目を閉じた。
「いいよ。好きにしろよ。ロイの、したいように していい。」
恥ずかしいけど、きっと すごく痛いけど、ロイならいい。
俺の『初めて』を 欲しいと言ってくれるなら…。
「あ、ああっっんぅ…」
直に突起を摘まれ、弄られながら 中を慣らされる。
痛みは薄れ、くちゅりと 音を立てて指を返される度に、
そこから体液が溢れる。
3本受け入れ、馴染んだ所でロイが指を引き抜いた。
突起を弄る指はそのままに、ロイは自身を入り口に当てる。
「ん…ぁ…」
「いいかい?」
問われて、こくりと 頷く。
「いい…よ。入れて…」
痛いんだろうな と思う。でも、受け入れてみたいと、
この身体で ロイを受け止めてみたいと 思うから、そう言った。
「っ…ぁ…」
案の定、それは激痛を伴って、俺の中へと押し入ってきた。
慣らされたことすら、凌駕してしまう その痛みを、
シーツを握り締めて耐える。
あやすように 突起を転がされても、痛みの方が勝ってしまって…
「ぃ…っぁ…」
初めてって、こんなに苦しいもんだったか?!
と、本気で思いながら、その相手がロイであることに 喜びを感じる。
「大丈夫か?」
全部収めきって、動きを止めたロイが、
俺の髪を撫でながら 優しく問うてくる。
「ん…何とかね。かなり、痛いけど…」
「やめようか?」
「いいよ。して。」
「そんなに辛そうなのに…」
「いいから、動けって。俺の、中で、イって。」
腕を伸ばし、ロイに しがみつきながら言う。
「ただし、最初はゆっくりな。」
俺の言葉に ロイは、ちゅ とキスを落とすと、
ゆっくりと 動き始めた。
それから先は、ただ 痛くて、痛くて。
必死でロイにしがみつきながら、耐えた。
ロイが果てたのが わかると、ふと 身体の力が抜けた。
ベッドに全体重を預けると、ロイが微笑んで髪を撫でてくれた。
そして、『ありがとう』と、俺の耳元に囁いた。
幸せで、嬉しくて、俺も 微笑んだ…と思う。
そのまま意識が遠のいてしまったから、
実際の所はわからないけれど。
※ ※ ※
翌朝。
目が覚めると ロイは 既に起きていて、俺の髪を梳いていた。
「おはよう。」
「…おはよ。」
身じろぐと、下腹部に鈍痛が走った。
「痛…」
どうして、と思いかけて、思い出した。
「大丈夫…じゃなさそうだね。今日は 休みなさい。」
言われて、気恥ずかしくて俯いて…気付いた。
「あ…れ。俺、戻ってない?」
視線の先、胸には まだ ふっくらとした膨らみが…
「ああ、昨日 帰りがけに鋼のから電話があってね。」
…嫌な予感…。
「薬の効力は2日から、人によっては1週間程持続するそうだよ。」
「はぁっ!?」
「試作品らしくてね。効果が不安定なんだそうだ。」
何だそれ 何だそれ 何だそれーっっ!!
「ちなみに、生殖機能までは変わらないらしいから。」
ちょっと残念だけどね、と付け足すロイに、俺も少しだけ
残念な気分になっていると、さらに ロイが口を開いた。
「戻る前に、1度くらいは イかせてみたいな。」
ちゅ、と キスを落とされて、ふざけんな!と思いつつも、
きっと断れないだろう自分に半泣きになる。
痛いよりも、ロイとできない方が 嫌だなんて!
それから薬が切れるまで5日かかった。
女の身体も悪くねぇって、思い始めてた、なんてことは、
俺だけの 秘密。
〜End〜
あとがき
男主 女体化エッチ!やっちまったぜ な感じ。
何気に女の子でエロ小説書くの初めてだったり。
読み慣れているせいで、初書きだって気付いたのは
下書き終わった後でした(笑。
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