エドたちの おかげで、列車乗っ取り事件が 無事に解決した。
そんで、飲みに行こうってことになった。(何かにつけて飲み会をするのは どこでも同じだ。)
エドたちも、迎えに行った ハボック少尉が そのまま拉致ってきて、
強制参加させられている。
「エド!!子どもはジュースだろ!ロイも、未成年者に酒を勧めんな。」
ちょっと目を離した隙に、ロイがエドのコップに酒を注いでいた。
「子ども扱いすんなよ !」
「酒くらい 飲めるよな、鋼の。」
「おぅよ。」
「兄さん、あんまり調子に乗らないでよ…?」
……弟のほうが しっかりしてやんの…。
「エド、あんまり アルに心配かけんな。」
こんなことで弟に心配されてるあたり、まだまだ子どもだよ。
「ロイも ほどほどにしとけよ。」
東方に来て、俺は みんなで飲むのが好きになった。
中央にいた頃は、大抵の誘いは断って、一人で飲みに行っていた。
他愛も無い会話をして、笑って。
そんなことが こんなにも楽しいなんて、中央にいた頃には 考えられなかったな…。
「あの…中佐…。」
「ん?」
声を掛けられ 振り返れば、ハボック少尉が立っていた。
「俺…ずっと 気になってたことが あるんスけど…」
気になってたこと?何だ…?
「中佐は、どうして俺達を階級付けで呼ぶんスか?」
「え…」
「だって、大佐は呼び捨てなのに、俺や中尉には階級を付けて呼ぶじゃないですか。」
そういえば…そうだな…。
「別に 深い意味はないが…」
そんなこと 考えたことも無かった。
「それに、話す時の口調だって、俺らに対しては 何か固いし…」
「そんなことは…」
あるかもしれない…。
「大佐とエドには 名前呼ばせてるし…」
「あー…」
こいつ、酔ってるな…?
「はー…。名前で呼びたきゃ、呼べばいいだろ、ハボック。」
「え…?あっ、今 ハボックって…あ、あの…っ …名前!いっ いいんスか?!」
…大丈夫か?こいつ…。
「いいよ、好きに呼べ。」
「じゃっ…じゃあ……中佐…。」
「何だ、ハボック。」
「……っ…俺…俺… 今 幸せっス──────ッ!!」
うぉ、抱きついてきやがった。
勢い余って 押し倒される形になった。
「おぉい…落ち着け ハボック…」
「ハボック少尉…減俸されたいか…?」
黒い声が聞こえる…。幻聴…ってことにして いいですか。
「に 何してんだよ ハボック少尉!!」
あー…さらに怒声が……。
しかし ハボックは 一向に俺の上から退こうとしない。
「おーい…ハボック?」
「ぐ─────。」
…寝てるよ。寝ていやがるよ この男は…。
「おぉい ハボックー」
起きねぇと 約二名が 恐ろしいんだが…
と、俺の上から 重みが退いた。
見れば、エドが足を下ろすところで…。
あーぁ…あいつ 絶対 腹に痣ができてるぞ…。
※ ※ ※
結局。
午後9時を過ぎたあたりで、エドとアルを ホテルに帰し、
(帰りたくないと ごねるエドを ロイがアルに括りつけた。)
ハボックを叩き起こして、二次会へ移行 ということになったのだが。
みんな 明日も仕事があるからと、そのまま帰っていき、
「あー…何だかな。」
俺とロイが残った。
「私と二人では 嫌かい?」
「そういうことじゃなくて。」
あのメンバーに限って、気を使った なんてことは ないだろうが…
「何か飲み直しに行く って気分じゃなくてさ。」
ロイも あんまり強くないみたいだし、俺だってザルじゃない。
「それは…誘っているのか?。」
「え…」
誘っ…?!
「何でそうなる。」
「飲み直したい気分では ないのだろう?」
「あぁ。」
でも、それが何で…
「そういう気分なんじゃないのか?」
……………えーと……そういう…って…
「違ッ!!」
はっ…恥ずかしい奴っ!
でも…
「やっぱり飲み直そう。」
どうやら 俺も 酔っているらしい。
「わかったよ。どこへ 飲みに行こうか?」
俺の反応に 苦笑しながら問うてくるロイに、
「ロイの家で。」
と 言い放った。
初めて会った あの夜と同じ笑みを 浮かべて。
※ ※ ※
「え…あっ…ちょ!待っ…」
「誘ったのは 君だろう?」
「や、だからって こんな玄関先で…」
ロイの家に着くなり、抱き寄せられて、口付けられて。
「ん…っ」
深いキスの間に 壁に押さえつけられる。
「ちょっ…やだって ロイ!シャワーくらい…」
「必要ない」
必要ないって…
「せめて ソファーで…」
「ここでいい。」
…よくねぇよ。
「俺の意見は無視か。」
「………我慢 できない。」
真剣な目で 見つめられる。
……頭に 血が上る。
心臓の音が うるさい。
求められる快感に 酔ってしまう…。
ロイは…、この男はずるい。多分知っていてそうする。
俺は 求められることに 弱い。
などと 考えている間に、ロイは着々と 俺の服を肌蹴ていく。
「ロ…イっ…」
ロイの手が、俺のベルトを外し始めた。
「」
甘く呼ぶ声が、性感を煽っていく。
「ん…んっ」
胸の飾りに口付けられ、背筋を 痺れに似た快感が走る。
逃げようとしても、落とされたズボンが 足首に絡まり、俺を拘束する。
「あっ…やだ…ロイ!」
ふと、ロイが 俺の視界から消えた。
と、思ったら すぐに 生暖かい感触が下腹部を襲った。
「んっ…あぁっ」
やばい…いつもより 高まるのが早い。
そういえば、俺って 気晴らしにセックスしてた頃も ベッドでしかシたことなかったような…
「、何を考えている?」
今まで ソレを咥えていたロイが 顔を上げて俺を見る。
「随分 余裕だね。」
にっこりと微笑む ロイ。
………ものすごく 嫌な予感…。
「うわっ」
左足を ズボンから引き抜かれ、抱え上げられる。
「えっ やだ ちょっと!ロイっ!!」
俺の抗議は 聞こえない振りで、ロイの舌は そのまま奥へ…
「やっ…やだ…ってば!あっっ やめ…っ」
立ったまま そんなところを舐められるなんて。
「あ、んっ…ロイ…っ も…ぉ 無理っ…」
羞恥心が さらに 俺を煽る。
「中…いいかい?」
入れてもいいか、ってことか?
「訊くな…バカっ!も…いいから 早く…っ」
言った瞬間、ロイの長い指が 俺の中を探り始めた。
解す、というよりは 確かめる動きで。
「あぁっ…やっ…」
ぐるり と、中で指を回される。
「やっ ロイ!もぉ、いいからぁ…っ」
限界だっての!!
「あ……は…ぁ…」
ゆっくりと 押し込められる ロイのそれ。
壁に背を預け、片足を抱え上げられて。
「ロイ…これ、キツ…いっ」
構わず腰を進める ロイ。
人の話 聞けよ!!
「あ…んっ」
全部収めきって、
「…好きだよ…。」
耳元に囁かれる。
こんな状態で そんなこと言うなんて 卑怯だ…。
「俺も…ロイ…あっ」
答えようとしたら、ロイが動きを早めるから、
「あぁ…っ あっ!ロイっ……ロ…イっ」
もう、何も考えられない…。
最後に感じたのは、体内で弾ける 熱いものだけ…。
※ ※ ※
「ん…ロイ?」
目を覚ますと、そこはベッドの上で。
隣にロイの温もりを感じ、
「大丈夫か?」
その言葉に、俺は あのまま意識を手放したのだと知る。
「大丈夫じゃない…。身体が ぎしぎしいってる。」
時計を見れば、午前3時。
「ロイ…ずっと起きてたのか?」
「の寝顔が 可愛くてね」
「ばか…」
ほんっっと 恥ずかしい奴…。
「なぁ…ロイ。」
「何だい?」
「俺…あんたの下で働けて よかったと思うよ。」
「どうしたんだ?急に…」
「ロイの下にいる奴らは、ホントにいい奴ばっかで、」
ハボックも、ホークアイ中尉も、司令部のみんなも。
「そりゃ、中央にも いい奴はいたけど、でも、こことは違う。」
「?」
「俺さ、今 ほんとに 幸せなんだ。」
いい仲間が たくさんいる、心地良い場所。
「…」
っと、これ以上 本音を言って ロイに調子に乗られても困るな…。
「だからさ…ハボックを いじめないで やってくれな?」
あ、沈んだ。
まったく…何を期待してたんだか…。
「ローイっ」
顔を上げさせて、
ちゅっ と 唇にキスをする。
「好きだよ。」
ぽかん としている ロイ。
どうやら ロイは 不意打ちに弱いらしかった。
俺の上司は、意外と可愛い。
〜End〜
あとがき
ほのぼのに書く はずだったのに…書いてるうちに 空気がピンク色に…(何。
つか、これ裏部分抜いても 話は成り立ちますよね…?あれ、おかしいな…。
そして、やっぱりエロは書くより読む方が好きだと 改めて実感…。
さて、今回 ハボックさんまで 絡んできてしまいましたね…。
(うちのハボさんは 酔うと ちょたろー とキャラ被ってしまうらしい…・笑)
大佐vsエドvsハボ…?ってか逆ハ?逆ハなの??
違うわ!大佐夢よ!!という主張を込めてのエロでした。
(何だか取って付けたような気がしないでもない…)
次はタッカー邸の お話。次こそは ほのぼので!(多分…。)
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翌朝・東方司令部内
「お、おはようございます。中佐!」
「おはよう ハボック。」
「おはよう ハボック少尉」
「あ、大佐。おはようございます。」
「早速だが この書類を今日中に…」
「ちょっ…ロイ!何 この量っ!!」
「俺一人じゃ 無理っスよ!!」
いじめんなって 言ったのに…。
俺の恋人は、わかりやすすぎるほど 嫉妬深い。