─ 零 ─





血生臭い世界さ。

生きているだけで鉄の匂いが身体に纏いつく。


血にまみれて生きてきた人間なら猶のこと。

世界が真っ赤に見えたって不思議じゃない。


でも、それでも。

そんな世界にも花は咲く。


一輪、二輪、三輪……


血に濡れて、その花弁を赤く染めても、その姿は気高く潔い。

ばかみたいに純粋で、汚れを知ってなお、綺麗なままの。


痛みも、辛さも知っていて、けれどどこか子どものまま。

ちゃらんぽらんと真剣に生きている。





色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ

有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔いもせず





なんつって。

世を儚んでも仕方ないだろ。


たとえ散り行く花であっても、いつかは滅びるこの身であっても。

雑多な日々にうずもれたって、夢に酔い痴れて生きようじゃないか。


悟って開く名のある花より、夢見て生きる雑草がいい。

雑草だって案外と、綺麗な花を咲かせるものさ。


ばかみたいに真剣で、あほみたいにばか正直な、

6つの小さな、青い春。


混乱の世に、今花開く。














〜End〜





あとがき

銀魂シリーズ序章です。
何だか変なシリーズですが、果たして何処までやれるのか……
生暖かい目で見守ってやって下さい(礼。

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