「ただいま 戻りましたー。」
パトロールを終えたアンパンマンが パン工場に戻ると、
「のわーっっ」
盛大な叫び声が聞こえた。
続いて、どたばたと 誰かが奥へ走っていく。
「あら、アンパンマン。お帰りなさい。」
くすくす笑いながら、バタコさんが アンパンマンを中へ促す。
「何ですか?今の…って言うか、あれは誰?」
「んー…バツゲームなのよ。」
「バツゲーム?」
「そ。羽根突き10連敗の。」
「はぁ…。」
何がどうバツゲームなのだろうか。
そして何故 自分が帰って来ただけで
叫びながら逃げ出されなくてはならないのか。
逃げていったのは、ピンク色の着物を着た女の子だったはずだ。
面識は…ない…はず。
「ねぇ、アンパンマン。」
「はい?」
「あの着物ね、私の お古なの。」
「はぁ」
「それを着るのが バツゲームなの。」
「へ…?」
着物を着るのが、バツゲームなのだと、彼女は意味深に笑う。
「まあ、それだけじゃ ないんだけど。」
「着物を着て…何かするんですか?」
「そう。あなたと写真を撮るの。」
「は…?」
だから 付き合ってね、と笑うバタコさんは とっても嬉しそうだ。
「あの…あれは、誰なんですか…?」
「ふふっ、誰だと思う?」
問い返されるということは、知っている人、ということなのだろう。
「わかりません…。」
まったく心当たりが無い。
しかも、自分と写真を撮るのがバツゲームだなんて、
どうやら自分は その人物に相当嫌われているらしい と
アンパンマンは すごく複雑な気分になる。
「声で わからなかった?」
叫んでたでしょ、と言いながら バタコさんは 工場の奥へと入っていく。
「ほら、覚悟決めちゃいなさい。」
そこにいる誰かに向かって そう言うバタコさんは楽しそうだ。
(声で…って言われても…)
裏返った叫び声だけでは、判断に困る。
けれど、言われてみれば 聞き覚えのある声に、
アンパンマンは 更に首を傾げる。
「アンパンマンだって、待ってるのよ?」
「い…やだ。ねぇ、バタコさん、やめようよぉ」
「あ…。」
奥から聞こえてきた その声は、
アンパンマンが よく知っている人物のもので。
「?! 」
気付いてしまえば 疑いようのないほど耳に馴染んだ声だった。
「ほーら。バレちゃったんだから、諦めなさい。」
そう言ってバタコさんが奥から手を引いて連れてきたのは、
ピンクの着物に身を包み、うっすらと化粧までされた だった。
(男だって言っても 大抵の人が信じないぞ これは…)
髪は、ウィッグなのか、結い上げられて ふわふわと揺れている。
バタコさんに手を引かれ、アンパンマンの前に立たされると
は 不安そうにアンパンマンの顔を見上げた。
「…?」
は元々可愛い顔をしていて、たまに女の子と間違えられてはいるが、
あまりにも綺麗になりすぎている これがだと信じられなくて
アンパンマンは その顔を覗き込む。
「っ…やっぱダメっ!恥ずかしすぎっっ!! 」
じっと見つめられたは、恥ずかしさに耐えられなくなり
また奥に 駆け込もうとした。
「わっ」
しかし、今度は アンパンマンに手を取られ、
更に そのまま引き寄せられてしまう。
勢いで ぽすんと アンパンマンの胸に 抱き込まれた。
「ナイス、アンパンマン。」
と、カシャリと シャッターがきられた。
「バっ…バタコさんっっ!! 」
慌てると、抱きついたまま離さないアンパンマンを何ショットか撮って、
「はい、次で最後。アンパンマン、くんを 反転させてくれる?」
もう 殆ど半泣きのをカメラに向きなおらせ、
アンパンマンに背中から抱き締めるようにさせて、シャッターをきった。
「ふふっ。ありがと アンパンマン。その着物、明日まで貸しててあげるわ。」
そう言って バタコさんは、上機嫌で工場を出て行った。
残されたのは、もう状況に ついて行けていない と、
そのを 背中から抱き締めたままの アンパンマン。
「着物、貸しててくれるって。」
ふと口を開いたアンパンマンは、もう一度を反転させると
そっと肩を押して少し離れ、の着物姿を じっと見た。
「やだ、もうっ…恥ずかしいんだからっ!」
そう言って、着物を脱いでしまおうとするを止めて、アンパンマンは笑う。
「可愛いよ 。食べてしまいたいくらい。」
「っ…」
耳元に囁く アンパンマンの声は、甘く掠れた 下半身直下型。
は びくりと肩を竦める。
「ね、。おいで?」
が逆らえない その声音で囁いて、アンパンマンは
自分の部屋へと を連れ込んだのだった。
※ ※ ※
「んっ…あっあっ…やぁっ」
ぴちゃ、と 濡れた音が耳に届く。
立ったまま 着物の裾を捲り上げられて、
自身を アンパンマンの口腔内で 甘やかされている。
「ひゃ…ぅ…っぁあ…っ」
くちゅりと 舌が返るたび、の腰は びくり と跳ね、甘い声が上がる。
「や…もう、出ちゃ…っ」
着物が汚れる、と訴えるを見上げてアンパンマンは、
「大丈夫、全部 飲んであげるから。」
そう言うと、の絶頂を促すように、
限界を迎えようとしている それを、きゅっと 強く吸った。
「ひぁっ…ああっ…やぁぁぁっ」
きつい刺激に耐えられず 放ったの ものを、
アンパンマンは 言葉通り 飲み下していく。
最後の一滴まで残さぬように吸い上げられて、
は、もう力など入らず、その場に へたり込んだ。
「…綺麗だね…」
ぺたりと床に座るは、頬をピンク色に上気させ、
着ているピンクの着物の裾は 乱れていて、
その脚は しどけなく開いて、白い 太ももが アンパンマンを誘う。
そのまま ベッドに運び上げようとしたアンパンマンを
が 慌てたように止めた。
「だめ…お願い…コレ、脱がせて…」
返さなくちゃいけないから、と 恥ずかしそうに告げるは
耳まで赤くなっている。
「せっかく可愛いのに…」
「やだ…アンパンマン、お願いだから…っ」
僕、着物のお手入れなんて 知らないんだから、と
拗ねたように言うが可愛くて、アンパンマンは そこで折れることにした。
「好きだよ、。」
ちゅ、と その唇にキスを落とし、着物を脱がせる。
「僕も 好き。」
すとん、と 着物が肩から落とされると、は アンパンマンに抱きついた。
「アンパンマン…」
「ん?」
「今年も よろしくね。」
「……それって、今 言うこと?」
「え…だって…」
「ま、らしいけどね。」
苦笑して アンパンマンは、こちらこそ よろしく、との耳元に囁き、
その身体を ベッドに押し倒した。
「いっぱい していい?」
「ん、いいよ。して。アンパンマン…」
ちゅ、という からのキスを合図に、アンパンマンは
の身体を 探り始めた。
「ん…っ!」
「…」
たくさん 弄られて、繋がって。
何度目かの遂精の果てに、は 気を失うように 眠りに落ちた。
そのを 愛しそうに抱き締めたアンパンマンも、
心地良い眠りに 引き込まれていく。
ゆるゆると 引き込まれる それが気持ちよくて
ついうっかり眠り込んでしまった二人は、
バタコさんが、もう夕飯よ と 複雑な表情で起こしに来るまで
抱き合ったまま 寝息を立てていたのだった。
〜End〜
あとがき
正月企画 最終 第四弾。いかがでしたでしょうか。
アンパンマン初の微エロで、書いてる自分も ドッキドキです(笑。
今回は、バタコさんが 素敵に活躍してくれました。うふふ。
二人の関係は公認、てことで!よし!(良いのか…)
そんなこんなで 正月企画、
お付き合い下さいまして ありがとうございました。
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