「、。起きないと遅刻するよ。」
「ん…んー…」
揺さぶられて、起きたくないと駄々を捏ねるように寝返りを打とうとする
を見下ろして、しょくぱんまんは 仕方ないな、と苦笑した。
午前5時、パン工場で見習いとして働いているの起床時間である。
「こーら、。起きて。」
「んー。」
何度か声をかけられて、ようやくが 薄っすらと目を開く。
「おはよう。遅刻するよ?」
「ん…おはよ…。いま、なんじ?」
寝起きの頼りないような声で言って、は ぱしぱしと瞬きを繰り返した。
「5時10分を ちょっと過ぎてる、かな。」
「えっ!うそっ」
時刻を聞いて、は がばっと勢い良く起き上がった。
が、すぐにベッドに突っ伏した。と言うのも、
「腰いたい…」
昨夜 少し しょくぱんまんが無理をした、なんて事情があるからだ。
「大丈夫?ちょっと激しくしすぎたかな?」
「もう それ聞き飽きた…」
そう、しょくぱんまんの このセリフは、が しょくぱんまんと暮らし始めた
1年前から、度々その口に乗せられてきたもの。
「いい加減に、手加減するってことを覚えて。」
「え。してるじゃない、いつも。」
「されてないよ!どこがしてるの!! 」
「多くても3回で やめてるでしょう。」
「………もう いいです。」
こんな会話も、もう何度したかわからない。
「って、もう、今 そんな場合じゃないよ!」
はっと我に返っては 腰を庇いつつ身を起こした。
「でも、せめて おはようのキスくらいは して欲しいな。」
「え。やだ。」
しょくぱんまんが の顔を覗き込みながら言うのに、そう即答する。
「どうして?」
そんなに、機嫌を損ねることなく しょくぱんまんは 笑って問いかける。
「そう言って、キスだけで済まないくせに。」
「そうだね。」
にーっこりと笑った しょくぱんまんに、は ベッドの上を後ずさる。
「ちょっと…しょくぱんまん…?」
「送っていってあげるから、1回させて。」
「冗談でしょ!」
「そう聞こえた?」
聞こえないから言っているのだと、は 真剣に思う。
「大丈夫、間に合うから。ね?」
どさりと押し倒されて、昨夜 したまま、下着も着けずに眠ってしまったことを
後悔しても時既に遅し。しょくぱんまんは、まだ柔らかく解れているの
後孔へと その指を忍ばせてしまった。
「あっ…や…っっ」
「やじゃない やじゃない。」
「も…バカっ」
ひどいと 詰る言葉は、既に甘く蕩け始めている。
「んーっっ」
すぐに受け入れられるほどにまで解けたの中から指を引き抜き、
しょくぱんまんは 自身を潜り込ませる。
「ちょっと急ぐよ?」
を 遅刻させないため、と それはにも何となくわかる、が、
「ひぁ…あぁぁっ!んぁーっ」
いきなり内部の弱い箇所を しょくぱんまんの熱で擦り上げられたは
その急激な快感に背をしならせた。
ぐいぐいと突かれて、あっと言う間に追い上げられ、解放を促されると同時に
内部に熱い体液を注がれる。
「んっ…ふぁぁぁっ」
くたりと の身体から力が抜け、そのままベッドに沈み込みそうになるのを
しょくぱんまんが 自らを引き抜きつつ抱き起こした。
「さ、出かける仕度をしないとね。」
「っ…いじわるっ!」
「いじめてない、いじめてない。」
そう言うと、しょくぱんまんは を抱き上げてバスルームに連れて行き、
シャワーを浴びせた。自分で洗えるね?と言って、しょくぱんまんは、
が シャワーを浴びているうちに朝食を仕度してしまう。
これも もう何度もあったこと。慣れた光景だった。
朝食を済ませて、しょくぱんまんの車に乗る。パンの配達用の それは、
こういう時 本当に便利だった。腰が痛い時に しょくぱんまんの背中に
乗るのは嫌だと、が ひっそり思っていることは、しょくぱんまんも
気付いているからだ。
「さ、着いたよ。今日も1日、がんばって。」
「しょくぱんまんもね。」
パン工場の近くに車を止めて、しょくぱんまんが に口付ける。
「行ってきますのキス。」
そう言って施されたそれは、徐々に深くなり、遂には口腔を撫でるように
舌が動き始めた。
「んっ…んんっっ!! 」
が しょくぱんまんの背中を叩いて抗議する。
「ん…。ごちそうさま。」
唇を離して、満足気に笑った しょくぱんまんを、快感に潤んだ目で
睨みつけてから、は 車を降りた。
「もう!しょくぱんまんの ばかっ!」
走り出した車の後ろに向けて が叫ぶ。
これも、この1年、繰り返されてきた光景。
そして、これからも 続くだろう光景。
しょくぱんまんの運転する車が すっかり見えなくなってしまうと、
は ふっと息を吐いて気持ちを切り替え、パン工場に向かった。
今日も仕事が待っている。いつか、しょくぱんまんの車で、
自分の焼いたパンを配達してもらいたい、
そんな夢を持って、は 今日も元気に働くのであった。
〜End〜
あとがき
ぎ…ぎりぎり…
企画期限当日に最終更新、て 前にもこんな強行やったなぁ…
しょくぱんまん、微妙に難しいんですよキャラが。
白か黒か、悩みどころですね この人(パン?)は。
サイト1周年企画。以上を持って完了です。
お付き合い ありがとうございました。
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