冬島が近付いて、日も出ぬ朝の海は凍えるほど寒い。
「ん……」
素肌に絡めたシーツだけではぬくもりが足りず、小さく震えては
ふと目を覚ました。
「あ、悪い。起こしちまったか」
「ん、サンジ? もう朝?」
「ああ、だけど、まだ早ぇよ」
寝てな、と言うサンジは服を着て、自分が纏っていた分のシーツと
引っ張り出してきたらしい毛布をの身体へと乗せた。
「やだ、寒い」
きゅ、とサンジの服の裾を掴んだに、彼は苦笑して。
「仕方ねぇな」
と言い、じゃあちょっとだけだぞと、の身に着けたシーツを剥いだ。
「手と口、どっちがいい?」
あっためるにはこれが一番てっとり早いとばかりに問うそれには
少し頬をふくらす。
「んな顔してもダメ。メシの仕度があるからな」
朝のまどろみの中での添い寝は、やはり叶えてはもらえないらしい。
「じゃあ、手でして」
「了解」
は、サンジの手で身体を触られるのが好きだった。
料理人として、決して戦いには用いないその手を、自分のために
使ってくれるのが嬉しかったから。
「ん……サンジのも、する?」
「オレはいい。そんなことされたら、みんなを飢えさせちまう」
絶対最後までやっちまうと笑う彼に、それでもいいじゃないかとは
口が裂けても言えはしない。
「んっ……あぅ、あ……あ、んっ」
とぴゅ、と迸らせた体液は、昨夜の情交のためか薄い。
「ほら、あとはしっかり毛布巻いてろよ」
「ん」
の出したそれをぺろりと舐め、シーツと毛布をもう一度
の上にのせると、サンジはキッチンへ向かってしまった。
「……寒い、なー」
一人残される朝はやはり少し寒い。
ふるりと震えては、しっかりと毛布にくるまり、サンジが朝食だと
呼びに来るまで、少しだけ寂しい眠りに落ちた。
〜End〜
あとがき
うーん、おかしいな。もう少し甘くなるはずだったのに……
サンジくんが少しあっさりしすぎたかな。
でも主人公に「起きて手伝うから、して」って言わせたら
おさまりつかなくなっちゃって……たはは。精進します。
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