今日は サンジの誕生日。そう、あいつが生まれた日。
「さて…どうすっか…」
今朝、ウソップとチョッパーが 話しているのを聞くまで忘れてた。
当然 何も用意なんかしてねぇ。
あいつと『恋人』ってやつになって、初めてのイベントなのに…
怒る…よな…。
次の島に着くのが3日後………さて、どうすっか…。
「サンジ君、お誕生日 おめでとう。」
朝飯の後、ナミが あいつに言った。
「ありがとう、ナミさん。」
あいつは 笑って答えた。
「ナミさんに祝ってもらえるなんて、俺幸せです〜」
「調子に乗るんじゃない。」
抱きついて殴られやがった。
「サンジ─────!メシ───っ!! ついでに おめでとう!」
昼飯前になって、今度は ルフィだ。
「ついでかよ!!」
とか 言いつつ 嬉しそうに笑いやがって…
「サンジー、これは俺からの 心を込めた贈り物だ!!」
昼飯の後は ウソップだ。
「…随分 でかいな…」
「鍵つき冷蔵庫だーっ!!」
なにっ?!ウソップの奴そんなもん用意してたのか!!
「おぉぉ!!」
あいつは…めちゃくちゃ喜んでる…
「ただし 冷蔵機能はない。」
「はりぼてかよ!」
そんなこったろうとは思ったが…。
それからも、チョッパーとロビンが祝いの言葉を述べ
残るは俺だけ…
あんなに 楽しそうにしやがって…俺はどうすればいいんだ…?
あー…だめだ…考えてたら 眠くなってきた……。
「…ロ!ゾロ!!」
あ?何だ?
「起きやがれこの スカポンタン!!」
「あぁ?」
何だってんだ一体…
「起きたか。…ったく!今 何時だと思っていやがる」
………そういえば…心なしか空が暗いような……………。
「みんな とっくに晩飯食い終えてるぜ。」
………はい?
「何だと?」
「心配しなくても、メシは取ってあるよ。」
「や、そうじゃなくて…」
「ん?」
「パーティーとか…そういうのは しなかったのかよ?」
この船じゃ、祝い事ってーと 何かしらやるのが普通だ。
「お前…前回陸に立ったの どんだけ前だと思ってんだ?」
酒も食材も 余裕がないってことか。
「そうか…。」
「ま、俺は みんなに祝ってもらえただけで 十分だしな。」
「………。」
「どうした?具合でも悪ぃか?」
俺の葛藤も知らず、心配そうに顔を覗き込んでくる。
はー…これ以上、悩んでても しょうがねぇ。
覗き込んでるやつの 手首をつかんで 引っぱり、耳元に口を寄せる。
「え…」
「 誕生日 おめでとう。 サンジ 」
「っ…」
そのまま囁いてやったら、真っ赤になって突き飛ばされた。
「ゾ、ゾロのくせに、恥ずかしいこと してんじゃねーよっ!!」
「なんだよ、祝ってやったんじゃねーか。」
「だだだだだだだって!お前が あんなこと言うなんて思わねぇから…。びっくりしただろーが!」
何だそりゃ…。
「プレゼントなんかは 用意してなくてな。」
「最初から期待しちゃいねぇよ。」
と、言いつつ、近寄ってきて…
「 プレゼントは お前でいいよ ゾロ… 」
耳元で囁かれた。
「へぇ、いいのかよ。」
「うっ うるせぇよ!」
照れるなら やるなよな…
「いいぜ。今夜は覚悟しとけよ。」
「やらし…。」
「あぁ?」
「何でもねぇよ。」
なんだかんだ言いつつ、俺はこいつの『恋人』ってやつを 上手くやれているようだ。
Happy birth day Sanji......
〜End〜
あとがき
サンジ君 お誕生日で ございます!永遠の19歳おめでとう!
ゾロ視点で甘めを目指してみました。なのに あんまり甘くない…。
いっそ微エロとかにしてしまった方が良かったのか…?(笑。
「」の中は、反転で読めます。
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