上質のベッドに身を沈め、ゆるゆるとした眠りの中にいたは、
カーテンの隙間から 差し込む朝の光に、ふっと目を開けた。
「ん…」
寝起きは決して悪くないはずなのに、今朝に限って何故か頭が重い。
「っ…痛…」
寝返りを打とうとして、腰からくる鈍い痛みに
は その整った顔を歪める。
意識してみれば、腰だけではなく 全身が
異様な倦怠感に包まれていた。
何故、と思いかけて 己の背後にある温かい気配に、
現状の因果関係のすべてが 一瞬にしての思考を巡った。
「ああ…そっか。」
は 納得したように呟くと、痛む身体を反転させ、元凶を見遣る。
(あーあ、もう…幸せそうなツラしやがって…)
視線の先、すよすよと寝息を立てるのは、
一晩中 自分に熱を埋めた年下の男。
穏やかな表情で眠る、長太郎。
「この週末、家族がみんな留守なんです」という誘いを、
こうなる覚悟をもって 受けた。
未体験の熱に、ただ喘ぐしかできなかった その情景を、
まざまざと思い出してしまい、は ずぐりと 下腹が疼くのを感じた。
(あ…やばっ…)
じくじくと疼き始めてしまった最奥。
初めてで、結合時に感じたのは ほぼ痛みだけだったと言うのに、
それ以前の前戯の記憶と相俟って、
それはとても甘美な感覚として の中に蘇る。
「ん…さん…?」
もやもやとしてきた熱を逃がそうと 身じろいていたら
長太郎が目を覚ました。
「げ…っ」
「何ですか『げ』って。」
寝起きに いきなり失礼な態度を取られた長太郎は、
眠たげな目を じろりとに向ける。
「あ、いや、何でも。おはよう長太郎。」
「おはようございます。」
「って、何で圧し掛かってくるかなっ!」
眠そうに挨拶を返した長太郎は、のそりと身を起こし、
に覆い被さった。
「おはようと言えば キスでしょう?」
言うが早いか、長太郎の唇が、のそれを塞ぐ。
「んぅっ…」
やばい、と思った時には既に、熱の凝ったそれは
長太郎に密着してしまっていて。
「かたくなってる…」
唇を離した長太郎が、ぽつりと 呟くように言った。
「言わなくていいっ!」
「でも…」
「朝だから!生理現象だから!」
「でも、せっかく 勃ってるから…」
「ちょっ…待て!長太郎っっ」
は 慌てて長太郎を制すが、
長太郎は どこ吹く風と言った感じで 易々と愛撫を仕掛ける。
「今日は土曜日だし…一日ゆっくりしましょう?」
部活も お休みですし、
と 完全に目が覚めたらしい長太郎が笑顔で提案する。
「俺は 昨日の今朝で 腰が痛いんだっての!」
傷こそ付いていないものの、一度は限界まで拡げられた後孔を
あまり酷使はしたくない。
そんなの却下の言葉に、
「大丈夫だよ、さん。」
長太郎が 殊更にっこりと笑った。
「痛くならないように、とろとろに溶かしてあげる。」
「っ…」
の耳元に囁いて、長太郎は その最奥へと 指を伸ばした。
※ ※ ※
「あ…はっ…ぅぁっ」
宣言通り 長太郎は のソコを舐めて溶かし、
さらに たっぷりとローションを注ぎ込んで 指で捏ねた。
「いっ…や、ちょ…た!もう…」
3本の指を食まされ、掻き混ぜられて、
前へ直結したしこりを ぐりぐりと押される。
は その甘い責め苦に、
口の端から零れた唾液を気にする余裕もない。
仰向けたの足は、意識することなく 開いていった。
「どうして欲しい?ね、さん。」
聞かれては、その表情に僅かな羞恥を残しながら、
けれど 理性までをも溶かされてしまったかのように 口を開く。
「…っ…れ…てっ」
「何?聞こえないよ。」
意地悪く長太郎が聞き返す。
どうしても の口から 欲しがる言葉を聞きたいらしい。
「あ…っねが…いっ!ちょぉたろっ」
「ん?」
「も…いれ…てっ」
荒い呼吸の中、それでも はっきりと口にしたに、
長太郎は 満足気に微笑むと、指を引き抜き
ローションで濡らした自身の熱塊を ゆっくりと そこに潜り込ませた。
「ぃっ…ぁ…ふっ」
狭い入り口を押し広げられる痛みに は眉を寄せたが、
長太郎が腰を進めるにつれ それは
中を満たす充足の質感に 摩り替わった。
「痛い?」
「ん…」
気遣う長太郎の問いに、は ふるふると 首を横に振る。
「よかった。」
「い…いよ。」
「何?」
「うごい…て。ちょたっ」
ゆるりと 長太郎の首に腕を巻きつけながらはキスを強請る。
それに応えながら、長太郎は ゆるゆると中を掻き混ぜ始めた。
「んっんっ…ふぁ…っ」
「さん…」
乱れるの媚態に、長太郎の動きが速くなっていく。
「あっあっ…んんっ」
がくがくと揺さぶられ、僅かに生まれる痛みと、
快感のポイントを擦り上げられる好さに、は翻弄されていく。
「ひぅっんっ…ちょ…たろっっ」
長太郎の手が、の自身に伸びた。
「や…もっ…」
「そろそろ…イけそう?」
長太郎の甘い問いに、は がくがくと 頷いた。
「ぁ…ちょーたろーもっ」
一緒に、と は哀願するように長太郎を見上げた。
「うん。一緒に、ね?」
返ってきた言葉に ふわりと笑ったに、
長太郎の牡が 体積を増す。
「んぁっ」
限界を感じて 長太郎は 腰の動きを速めると同時に
の 甘く蜜を零す先端の窪みを きつく擦り上げた。
「ひぁっ…あぁぁっっ」
ほぼ同時に白濁を放ち、荒く息を吐きながら、
どちらともなく 唇を寄せた。
「さん、愛してる。」
※ ※ ※
「さん、ご飯…雑炊にしたんですけど…」
お盆に小さな土鍋を載せて、長太郎が部屋に入ってくる。
は ベッドに横になったまま、視線だけで それを捉えた。
「食べられます?」
「………ぉぅ。」
散々喘がされたの声は 甘く掠れ、
その表情は 疲れを滲ませてなお 色香を放つ。
「起き上がれますか?」
「ん、何とか。」
ゆっくりと身を起こしたの背中を 枕をクッションにして
ベッドヘッドによりかからせ、
長太郎は いそいそと ベッドの脇に 椅子を引っぱってきた。
「はい、さん。あーん。」
にっこ にっこと笑って レンゲを差し出す長太郎。
食べやすいように ふうふうと 冷ますことも忘れない。
「なっ…!一人で食えるよ!! 」
「だぁめ。大人しく 口開けて下さい。」
ものすごく上機嫌でレンゲを差し出す長太郎に、
は 仕方なく 口を開けた。
「おいしい?」
「ん。」
恥ずかしそうに咀嚼するを 長太郎は嬉しそうに見つめる。
照れながらも、大人しく口を開けるは、とても可愛らしかった。
〜End〜
あとがき
うっかりエロ以外の要素が極少の作品に…
微鬼畜甘々長太郎君、いかがでしたでしょうか。
18000HITありがとうございました。
ブラウザ閉じて お戻り下さい。