はぁ、と 吐いた息は ほの白く、ふわりと上昇しながら空気に溶ける。
「、風邪をひくよ」
背後から声をかけられ、暖房の効いた寝室の、開け放った窓から
外を眺めていたは、しぶしぶと窓を閉めた。
「だって、雪だよ?せっかく綺麗なのにさ」
じっくり見なきゃ損でしょ、と ぶつぶつ文句を言うを、
苦笑したロイが そっと抱き寄せた。
「だからって、こんな格好じゃ寒いだろう?」
ほら 冷たくなってる、と暖かい手の平で頬を包まれる。
ぷっと膨れたままのは、バスローブ1枚という格好で、あのまま
放っておけば、きっと本当に風邪をひいていただろう。
「じゃあ厚着して外に行く」
「それは却下だ」
「どうして」
「私に、雪に嫉妬しろと言うのかい?」
ベッドはすぐそこなのに、と、きゅうっとを抱き締めるロイの身体は
既に飢えたような反応を示していた。
「どうせ暖めてもらうなら、冷え切ってた方が気持ちいい」
「あまり私を焦らすと、君が火傷することになると思うけれどね」
言うが早いか、ぐいっと腰を寄せられ、の自身にロイのそれが
押し付けられる。布越しに その熱さを感じて、は ふっと笑った。
「そんなに がっつかなくても逃げないってば」
くつくつと笑いながら ぐいっとロイの身体を押して、
はベッドへと身を投げ出す。
「今年は、可愛く誘え、とか言わないの?」
今年も もう雪が降っちゃってるけど?なんて言いながらバスローブの
紐を解くのはやめて欲しいとロイは苦笑を零す。
「そうだな、もう少し、可愛い方がいい」
「あれ?ちょっと煽りすぎた?」
脱いだバスローブを放って覆い被さってきたロイの脚の間に手を伸ばし、
は 少し驚いたように言って首を傾げた。
「このまま擦ったら イっちゃいそうだねぇ」
「それは、お許し願いたいな」
「そう?」
首を傾げたまま、ふわりと笑うと、は 意地悪く 手に力を込めた。
「っ…!」
「でも、あんまり大きいと、俺も辛いんだよね」
ふふ、と 笑いながら言って、そのままロイを吐精へと導いてしまう。
「う…ぁ…っ」
感じる箇所を的確に擦り上げられて、呻いたロイの自身から
吐き出された白濁が の腹に散る。
「ん…熱いね、ロイ…」
「君は…意地悪だ…」
「やだなぁ、これくらいじゃ 萎えたりしないくせに」
まだ元気なんだから いいじゃない、と さらりと言ったは、
腹を濡らすロイのものを指に絡め取ると、それを自らの後孔へと運んだ。
「あ…んっ…」
「…」
「んー…奥まで、届かないや」
仰向けに転がった状態では奥まで濡らそうとすると腕が攣りそうに
なるのだと文句を言って、けれど体勢は変えないまま、は
ロイを小さく睨む。
「ロイがして。早く、濡らしてよ」
奥まで ぐしょぐしょにしてよ、なんて煽る台詞を吐かないで欲しい。
歯止めが ぶち壊れそうなほどの眩暈を覚えて、ロイは もう何も
考えたくないとでも言うかのように、の膝裏を掴むと、
ぐっと それをの肩口まで押し上げ、濡らせと言われた
その箇所に 唇を寄せた。
「え、あれ?な…舐め…るの…?そこ…ぁっ」
「悪いが、もう本当に余裕がないのでね」
「ひ…ぅっ」
音を立てて中までを舐め啜られ、本当に奥まで
唾液で ぐちゃぐちゃにされる。
突き立てられた指が少々乱暴に中を掻き回しても、
が痛みを覚えた様子はなく、ロイは ずるりと指を引き抜くと
既に熱を取り戻していた自身を、の そこに あてがった。
「ちょっ…まだ指2本しか…っ」
解れきっていないと慌てるを押さえつけ、
「余裕が無い と、言ったろう?」
ロイは ぐっと腰を進める。
「あ、んっ!…鬼畜…っ」
「何とでも」
強引に押し入って、しかしそれでも 絡み付いてくる粘膜は甘い。
「ん…んーっ…き、つい…」
「苦しい?」
「あたりまえ…ぁっ」
「でも…イイ、だろう?」
ぐいぐいと腰を進め、すべて納めきって ロイが笑う。
「うん、よすぎて…も、イっちゃいそう」
「くっ…」
対するは、苦しげに息を吐きながら、けれどその顔には
笑みを浮かべ、ぎゅっとロイを含んだ場所に力を込めた。
「どっちが…鬼畜だ…」
「んー?俺、かな?」
くつくつと笑いながら、さっきの仕返しだと告げるの唇を
ロイが乱暴に奪う。
「んっ…ふ…」
深い深い口付けを交わし、やっと唇を解放される。
は息を切らしながらロイを見上げた。
「救世主がいたら、世界って変わるのかな」
「?いきなり…何を…」
「だって、世を救うんだよ?」
「いや、だから何を…こんな時に…」
お互い熱をぶつけ合い、高まっている この時に、一体何を
言い出すのかと、ロイは本気で眩暈を起こしそうになる。
「え、だって、イっちゃいそうだったから」
ちょっと気を逸らそうかなー、なんて。と あっけらかんと言い放つ
は、撃沈するロイの頭を ぽんぽんと撫でた。
「まったく…君って子は…」
「だから、子 って言わないでってば」
1つしか違わないんだから、と怒るは、けれど去年も
同じようなことを言ったなと思い出して、小さく笑った。
「宗教の話、なんだろう?」
「ん?」
「救世主」
「うん、そう。どっかの国の」
信じなきゃ救わないカミサマが作った救いの御子だと は告げる。
「争いの種、なんじゃないか?」
「救世主が?」
「だって宗教なんだろう?」
「あ、そっか」
救われると言ったって、考え方が違う人間がいれば、
そこに反発は生じるのだ。
「人間を救うことなんて出来やしない」
いつだって、救われたいのは 自分と その身内だけなのだ。
自分の好まない人間が救われることを望まない人間達に、
救いなど あろうはずもない。
「世知辛いねぇ」
「そうだな。で、もういいか?」
動いても、と言うロイは 少々不機嫌顔で。
「やだなぁロイ、大人気ないよ?」
「君ほどじゃあない」
「あ…ん、ぅ……こんな、やらしいこと、してるのに?」
子どもっぽいとか言うの?と、喘ぎながら、は ひどく艶かしく笑う。
「子どもっぽい、じゃなくて、大人気ない、だ」
子どもは こんなに 捻くれていないよ。
心の中で呟きながら、ロイはを追い上げていく。
二人一緒に、頂点を求める為に。
ふわふわと舞う雪に 世界は白く染め上げられ、今年もまた
恋人たちの夜を包み込む。
ふわふわ ふわふわと 積もる雪は、どこか暖かく、
優しく世界を 覆っていくのだった。
〜End〜
あとがき
去年のノリを思い出すのに苦労しました。
思い出したら思い出したで 勢いがつきすぎて
ロイがかわいそうなことに……。
ロイを虐めてごめんなさい(笑。
そして更新ギリギリでごめんなさい。
メリークリスマス。
来年も よろしくお願い致します。
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