君の笑顔が好きでした。
とてもとても好きでした。
いつからだろう、それを見るたび、苦しくなってしまうようになったのは。
「!」
「んー?」
放課後の教室、笑顔の君。
生返事の僕。
「おーい、聞いてるか? ー?」
近付いてくる、山本の声。
わかってる。
呼んでるのはわかってるから、振り向くまでに覚悟の時間を下さい。
「?」
「はいはい、なに?」
振り向いて、ずきんと痛んだ心臓に、覚悟が足りなかったことを知る。
やっぱりだめだ。
この笑顔は、苦しいのだ。
「今日、帰りに寄ってっていーか?」
「いーよ」
「部活、終わんの結構遅いかもしんねーけど」
「大丈夫、ごはんつくって待ってるし」
「おう、サンキュ」
にか、と笑って、離れていく山本が、憎たらしかった。
※ ※ ※
僕の家は、両親が仕事の都合で頻繁に海外出張に行くため、
月の半分は僕一人。もう半分はどちらかがいないという状況。
家族がそろうのはごくたまに。
そんなこんなで今日も、家には僕一人。
「や、だ……山本、やめ……っ」
「え? やだ? でもなー……やめたくねーや」
食事が済むなり、寝室へ連れ込まれ、さっさと押し倒された。
今はもう既に慣らすための指が濡れて出入りしている。
恋人、というものになって、まだ2週間。
した回数は、けれど14回なんて、とうに越えている。
「やめなくても、いいよな?」
にっと、彼が、笑う。
僕はすぐに、真っ赤になって。
(こんなときに、笑うなんて卑怯だ……)
結局何も答えられないから、山本の自由にされてしまう。
「の中、めちゃくちゃ気持ちいーのな」
慣らした場所に自身を押し込みながら、山本がふっと笑った。
「っ……ばか!」
だから笑うなというのに、もう……。
苦しくて苦しくて、愛しくて。ひとく憎たらしい。
自分はきっと、この男の笑顔にだけは敵わないのだろうと本気で思った。
しかし悔しいかな、どれだけ苦しくても憎たらしくても、俺はもう彼から
離れられそうになかった。
だって……だってこんなに……愛しいのだから。
〜End〜
あとがき
やーまーもーとー。難しいなお前!(笑。
山本の笑顔は、惚れた人間にとっては絶対目に毒だと思います。
心臓直球ど真ん中でときめいちゃうよね!(なんだそりゃ/笑)
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