「寒い…」
午後7時。
街灯に照らされて のびる影は2つ。
自らの肩を抱くように身を縮めて歩くに対し、
「夜は冷え込むようになってきたね。」
おっとりと言う滝の背は ぴんと伸びている。
「何でテニス部って こんなに練習長いわけ?」
「テニス部だけじゃないと思うけど…」
文化部に所属するは、昇降口の施錠の時間以降、
テニスコートの観客席で その練習を見学していた。
「つか 律儀に待ってる俺って良い子すぎじゃね?」
「良い子って…そんなキャラじゃないでしょ 君。」
「え、何?先に帰っても良かったって?」
「そしたら 君の家まで 迎えに行くだけだけど…」
「けど?」
「一緒に帰る方が、お持ち帰りみたいで いいよね。」
さらりと言って笑う滝に、は 少し辟易したような
表情を見せると、溜め息を付いた。
「何だよそれ…」
「何って?」
「帰っときゃ良かった。」
「はい、拗ねない拗ねない。」
「たぁ〜きぃ〜っ」
は、何でも軽くはぐらかしてしまう滝に、完全に脱力した。
「だめだよ。下の名前で 呼んでくれないと。」
今日は何でも言うこと聞いてくれるって言ったろう?
と、微笑む滝は、そのふわりとした雰囲気に隠しているが、
有無を言わせる空気を作らない。
「ほら、そんな顔しないの。」
「誰がさせてるんだよ。」
「泊まりに来るって 言ってくれたのは君。」
「そういうことじゃなく…」
今日は 滝の誕生日。
泊まりに来てと強請られて、断りきれなかったのは。
今日は言うこと聞いてくれるよね?と言われて、
頷いてしまったのも。
突っぱねられなかったが悪いと、
言ってしまえばそうなのだけれど。
「祝ってくれるんだよね。ね?。」
にーっこりと笑った滝に、は 深ーく 溜め息を吐いて、
黙々と 滝の家までの道のりを歩いた。
※ ※ ※
「ちょっ!待てっ 滝!」
「じゃないでしょ?」
「っ…萩之介!! 」
「ん、何?」
逃げを打つの身体を、さすが運動部の滝は易々と押さえ込み、
優しく問い返すように 首を傾げる。
「何で俺は 押し倒されてるわけ?」
「何で…って、泊まりに来てくれたんでしょ?」
じゃぁ 当然じゃない、なんて言われて、
(プレゼントは俺の身体、ってことか…?)
思い至ってしまったは 少々青ざめた。
もう慣れた行為ではあるけれど、今日の滝は 何か怖い。
「なぁ。萩之介…」
「ん?まだ何かあるの?」
「あのさ、もしかして、言うこと聞くって そういう意味…?」
それはセックスの場面において、
という意味合いだったのか と問えば、
「他に どういう意味?」
と返されて、は 床に懐いた。
「もういい。好きにして。」
「もちろん、そうするつもりだよ。」
笑顔でそう言った滝が どこかから出したそれに、
は びきっと凍りついた。
目の前に差し出されたのは 数点の大人のおもちゃ。
用途不明のものが2つほど目について、
は ひっ と喉を鳴らした。
「は…萩之介…」
「なぁに?」
「お…お手柔らかに…」
涙目で見上げるに 艶やかな笑顔を見せて、
滝は 嬉しそうに の服を 脱がせ始めた。
「あ…ちょっと、ねぇっ」
するすると 身体を撫でる滝の手に
甘い声を上げ始めたは、
「本…気で 使うわけ…?」
それでも その手に握られた おもちゃに、不安を訴える。
「本気だよ。さあ、たくさん啼いてね。」
にーっこり笑顔で その訴えを流した滝は、
ものすごく嬉しそうに の身体に いたずらを仕掛けていく。
「あっ…あっあっ…やっ…」
「全部、試そうね。」
と、その言葉通り滝は、が 数度の遂精の果てに
気を失ってしまうまで 愛撫の手を止めなかった。
翌朝、目を覚ましたが、隣に眠る滝の 穏やかな寝顔を見て、
(ぜってぇ おめでとうなんて 言ってやんねぇ!)
と、怒りを覚えていたことを、その数十分後に目を覚ました滝は、
身をもって知ることと なるのであった。
〜End〜
あとがき
はっぴーばーすでぃ滝。
何故だか半端に微エロな作品に…
誕生日だってのに、こんなんで ごめんよ滝…(苦笑。
だって、君キャラ掴みにくいのよ(暴露)
取り敢えず、おめでとございます!
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