あったことを 全部 話して。
話したら、少し スッキリした。
「そっか…は、あそこに いたのか…。」
「はい。偶然 でしたけど。」
「つらかったな。」
やさしく 頭を撫でられて、
「ふ…く…っ」
涙が 溢れた。
「」
泣いている俺を胸に抱き締めながら、
「あの光が、何だかわかるか?」
ヒューズ先輩が 指したのは、不安定な俺を 安心させた、あの光。
暖かくて、優しくて、とても 穏やかな…
そして 聞こえていた、あの声は…
「…ロイ…?」
呟いたら、ヒューズ先輩の 腕が緩んだ。
「あいつは、顔に似合わず、…いや 似合ってるか、寂しがり屋だから」
ロイが聞いたら 怒るだろうか。苦笑して、認めるかもしれない。
「だから、。あんまり あいつを 一人にしてやるな。」
な?と 言われ、こくり と頷くと、
ちゅ、と 額に 唇の感触。
「えっ…あっあのっ!ヒューズ先輩?!」
「俺な、のこと、ずっと好きだったんだぞ?」
「え…」
「ロイに 取られちまったけどな。」
「ヒューズ先輩…」
「ま、ロイのことも、同じくらいに好きだったけど。それに、俺は俺で、幸せだったしよ。」
可愛い娘もいるからな、と笑う。
「さ、。そろそろ ロイの所へ帰れ。」
すっと、ヒューズ先輩が 俺から離れた。
「…はい。」
「もう、大丈夫 だな?」
全てを受け入れるのは…まだ つらいけれど。
「大丈夫、です。」
逃げて 閉じこもるのは 楽。ここは、とても 居心地の良い場所。
だけど、俺は そこに 光を求めた。ロイを 求めることが できてしまった。
捨てきれないものが ある限り、俺は、ここにいちゃ いけないんだ。
「じゃあな、。元気で。」
と、敬礼するヒューズ先輩に、
「ヒューズ先ぱ……ヒューズ准将、おつかれ…さまでした。」
敬礼を返す。
「あ、そうか。俺、昇進したんだな…」
「ええ。」
「准将 か。うっかりロイを追い越しちまったぜ。」
苦笑しながら 頭を掻く。
「、ロイに伝えてくれ。さっさと上に行けって。」
「ふ…うぇ…」
「あー、また泣く。」
「だっ…て…」
もう、会えなくなってしまうなんて。
「。さっきも言ったろ?忘れられなきゃ、俺は消えねぇ。」
「あ…」
「だから、な?泣くことなんて、ないだろ?」
「………はい。」
「幸せになれ。」
差し出された ヒューズ先輩の手。
「ええ、きっと。」
その手を握り返す。
と、急激な眠気に襲われた。
「っ…あ…」
「大丈夫だ、。そのまま 寝ちまえ。」
穏やかな声で言われ、俺は 意識を手放した。
眠りに落ちる寸前、ヒューズ先輩が、何か言ったような 気がした。